イギリスらしい

イギリスらしい

先ごろ、天皇皇后両陛下がエリザベス女王即位60年(ダイヤモンド・ジュビリー)のお祝に渡英されましたね。ご年齢や、今年2月に手術を受けられたことを考えても、陛下の義の厚さを感じます。さて、女王のダイヤモンド・ジュビリーのおかげでイギリスの話題が多い最近。そんな中で目立ったのは、去る14日、イギリスBBCのお天気キャスターとしてチャールズ皇太子が予告無しにテレビに登場したという報道。実際にテレビでご覧になった方もあったことでしょう。私もそれを見た瞬間「やるなー!」と企画の素晴らしさに唸っていました。少し戻って今年3月のある日、マンチェスターで挙げられていた一般人の結婚式に突然エリザベス女王が参列したというニュースもありましたね。

これらの「事件」、とてもイギリスらしいと思いませんか?王室の方がテレビに出演すること自体はイギリスでは珍しくないものの、日本的に考えると出演を実現させるまでの手配やプロセスが膨大なのではないかと思いがちですよね。そこは知りえない部分ではありますが、こういった企画もたぶん周囲の賛同を得て実現がしやすい環境である気がします。その根本にはイギリス人がジョークを重要視しているからなのでしょう。どんな堅物もジョークを言った瞬間から「あー、この人も人間なんだ」と納得してしまいます。チャールズ皇太子が突然テレビに登場し、アドリブでお茶目なジョークまで飛ばしたら、たいていの人は大いに好感を持つでしょう。私たちが留学生を送り出しているボーディング・スクールでも、校長先生や寮長先生らが生徒の前でパロディのお芝居をしたり、生徒の成績表で捻ったジョークを織り込んだコメントを書いたり、と人を楽しませることに余念がありません。また、どんなに短い会話の中でもジョークが入っていないことがありません。まるで冗談を言うことがマナーであるかのようです。(いや、それに近いです、きっと)一つのジョークを成立させようと労を惜しまないイギリス人。そのジョーク一つが相手との距離感を縮めるという大きな効果をもたらすのですから、労力の価値はあるといものです。

 

ジュビリーのお祭り騒ぎが終わると、次はロンドンオリンピックへと話題は移っていくことでしょう。その前にウィンブルドンもありますね。随所でイギリスらしいエピソードが飛び出すことを楽しみに待つことにしましょう。
山岸いつみ