バケツに希望を詰めて

バケツに希望を詰めて

ちまたでは、ALSアイスバケツチャレンジ、というものが流行っております。そう、あれ、氷水が入ったバケツを頭からかぶるあの動画のことです。いやはや、すでに指名を受けられた方はいらっしゃるでしょうか?!

ニュース・メディアやフェイスブック上などでご覧になった方も多いと思いますが、簡単に説明をします。このチャレンジは、主にソーシャルネットワークを通じて、筋萎縮性側索硬化症(通称ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)という発症原因も有効な治療法も不明とされる神経疾患の認知度を広め、研究の資金を募るチャリティー活動として始まりました。ルールは、チャレンジを指名された人は、その後24時間以内に氷水を頭からかぶるか、またはALSの研究団体に100ドル寄付をする、といったもので、その次にチャレンジを受けてほしい人を3人指名します。

7月にアメリカで始まり、8月中旬になり爆発的に広がり、昨日8月27日までのアメリカ国内のみの寄付金は計100億円以上と予測されています。注目がピークに達した21日には、たった一日で約10億円が集まったそうで。。

アメリカや日本では真夏日が続き、涼みを与えてくれるちょっとしたごほうびと捉えられていた部分もあると思いますが、残暑がないイギリスの肌寒い日々の中でも同じように広まったのは、ある意味あっぱれです!

が、今やピントがずれ、若者による人目を引きたいがための危険なパフォーマンス、有名人・企業の宣伝効果目当てに過ぎない、と批判が絶えないため、様々な対策やオルターナティブが世界中で出現しています。

● 現在深刻な水不足を抱えているカリフォルニア州では、水の無駄遣いを抑制するため、1人あたり500ドルの罰金を科している。

● 世界の水道水の9割が安全に飲めないこと、や自然の伐採や工業化による水飢饉を考慮して、代わりに水・衛生事業団体(Water Aidなど)に寄付をする動き。

● 南アジアでは、貧しい人にお米を寄付する、ライス(米)バケツチャレンジが主流になりつつある。

● パレスチナのガザ地区では、平和への祈願を込めて、空爆による街のガレキを頭からかぶる、サンド(砂)バケツチャレンジが行われている。

ソーシャルメディアが日常の当たり前になり、特に若者の間でのオンライントレンドがとても敏感に変わっていっています。大勢の生徒を24時間預かるボーディングスクールのソーシャルメディア対策は、プレップスクール(小学校)の生徒は登録自体が禁止になっていたり、シニアスクール(中高)では週末のみアクセス可能などと、各学校で多少の違いはあるようですが、子どもを危険にさらさないよう、真剣に対策に取り組んでいます。目立ちたい、ルールを破りたい、と思う年頃ではありますが、ツールの使い方を正しく見極めることができるよう、小さいうちから学校や家庭で教育することが大事なんだと思います。

さてさて、今回のALSバケツチャレンジ、ALSの周知活動としては大成功だったのではないでしょうか?!また、チャレンジする動機がちょっと外れてしまった人がいたとしても、この活動を通して、研究団体が膨大な宣伝費を払うことなく寄付金が集まっている事実に変わりはありません。今回のチャレンジから学ぶことを十分に生かし、この他の難病の治療に役立つ活動も広まればすばらしいですね!人の記憶に残るきっかけ作りでした。

矢部