発想の転換

発想の転換

イギリスの9月は日本でいう4月の入学シーズン。桜の代わりに紅葉したかえでやオークの葉が、緑色の芝生を埋め尽くす、1年の中でも一番美しい季節です。そんな中、今年も十数名の新入生がボーディングスクールへ入学しました。いきなり大勢のイギリス人+早口の英語で、語学学校とのギャップを感じている生徒も多いと思いますが、まず一番驚くのは日本との勉強の仕方の違いではないでしょうか。

イギリスと日本の勉強方法にはたくさんの違いがありますが、特に当時私が個人的に差を大きく感じたのは「国語」の授業でした。日本では教科書の文章やストーリーを先生に言われるまま理解し、時には暗記をしたりすることが多い中、イギリスでの国語の授業は個人の意見をぶつけ合う話し合いの場でした。生徒から出た感想や意見を元に物語を別の観点から見てみたり、全く異なる結末を考えてみたり。そこに正解/不正解の答えはなく、常に発想を広げて考える練習をしていました。

この教育の違いは、二つの全く異なる国民性を作っていると言っても過言ではありません。そしてそれはそれぞれの国の社会のルールにも大きな違いをもたらしています。例えばたばこのポイ捨てについて。日本であれば、そこら中に「ポイ捨て禁止」のポスターを張り巡らし、とにかくそれを「ルール」として人々を従わせようとするでしょう。しかし、イギリスでは全く逆の取り組みがなされました。ポイ捨てを「禁止」したのではなく、「許可」したことでポイ捨てを激減させることに成功したのです。その方法とは、なんとポイ捨て率の高い場所に投票箱を設置し、人々の興味あるトピックを投げかけ、たばこの吸い殻を「1票」として投票させたのです。例えば、「メッシとロナウドであればどちらが優れたサッカー選手か?」や「イタリアのF1かテニスのUSオープンならどっちが見たい?」など、自然に人々がそこで集まって会話をし、結果たばこを地面ではなく、投票箱に捨てたくなるよう、まさにイギリス人の行動と心理を突いた妙アイディアでした。

こうした発想の転換力は、物事を多面から見る事を教えられたイギリス人は特に得意なのでしょう。これから十数年後、イギリスの教育を受けて大人になった留学生が、日本に画期的な!?アイディアをもたらしてくれるのが楽しみです!

 

鐵屋