贈り物のエチケット

贈り物のエチケット

親御さんが渡英される前や、卒業が近づいてくると、「お世話になった先生方やガーディアンさんに贈るプレゼントは何が良いか」という質問を頻繁にいただきます。それぞれの好みがあるので一概には言えませんが、イギリスでの贈り物に対する意識や注意事項、そしてご参考までに避けた方がよい贈り物についてお伝えします。

前回(9月29日)のブログでも触れたように、昔からの習慣を大切にするイギリス人にとって、贈り物を交わすやり取りは人生の大きな喜びの一つと言えます。事前情報が何もない方には一般的なギフトでよいと思われますが、ある程度知っている方であれば相手の趣味趣向を知っておくことが大事です。渡邊のブログ「How are you? I am fine, AND YOU ?」でも取り上げられていたように、イギリス人と会話をしていると質問攻めになることが多々あります。「最近何にはまっているの?」からはじまり、その答えに関する細かいことを次々と聞いてきます。関心があるからこそですが、次の贈り物は何がよいかを探っているとも言えます。

ガーディアンさんへの贈り物を検討されているのであれば、彼らのライフスタイルについてお子さんに聞くのが一番手っ取り早いでしょう。はっきりしない場合はガーディアンさんともっとコミュニケーションを取るよう勧めてみてください。趣味は何?どんな食べものが好き?ペットはいるの?アレルギーはあるの?お酒は飲まれるの?などなど。禁酒家に日本酒を贈っては恥ずかしい思いをしてしまいますよね。また、用意した贈り物に関する知識や手入れの仕方をある程度備えた上で渡すことも大事です。日本では贈り物を頂いてもその場で開けずに後々お礼の連絡をする傾向があるようですが、これはイギリスでは失礼に値します。贈り主が目の前にいるところで開け、その場で感謝の気持ちを伝え、頂いたものについて興味を持って質問をしたり、いつどこで使うか楽しみに語ったりするのが礼儀と言えます。直接渡すのが難しいようであれば、カードにどういった贈り物なのかを添えるのもよいでしょう。もう一つ重要なのがラッピングして渡すことです。ワクワク期待をしてラッピングペーパーを破るのも醍醐味の一つだと言います。

では、選ぶ際にどんなことに注意したほうがよいのか。先ず避けた方が良いとよく言われるのが餡子を使った和菓子です。お豆を甘く煮るという概念を全く理解しない人が多くいます。和の食べ物であれば、お煎餅やおかきなどのスナックや、美味しいレトルト食品、日本茶などの方が評判が良いと思われます。最近のかっぱ橋は訪日外国人でごった返していると聞きます。どの国の方も和食器の美に魅了され、包丁などの調理器具にいたっては世界中の料理人がわざわざ買いにくるそうです。ここで面白い迷信をひとつ。包丁やハサミは「縁を切る」ことを連想させるため、日本でも海外でも贈り物にするには縁起が悪いと思われがちですが、西洋で贈る場合には小銭と共に贈り(イギリスでは5ペンス)、受け取った方が贈り主に5ペンスを「返金」することで、購入が成立したと解釈し、縁が切れることを“阻止する”そうです。また、お花を贈る際には、異性への愛の告白を意味する赤いバラ、不誠実さを意味する黄色いバラ、献花の際に使用される白ユリと菊は避けましょう。

まだまだ奥が深い贈り物の世界ですが、少しでもお役に立てたのであれば幸いです。

 

矢部