Ding Dong the Wicked Gove is Gone

Ding Dong the Wicked Gove is Gone

先週火曜日に起こったイギリスでの政治騒動を皆さんご存知でしょうか。1週間以上が経った今日も、イギリス国内ではひっきりなしに話題にあがっています。なんと保守党・自由民主党連立政権が政権交代を成し遂げた2010年から教育大臣を務めてきたマイケル・ゴブ氏が退任に追いやられたのです。え、一体何をしでかしたのか?ここ最近日本で起こっているような、目と耳を塞ぎたくなる政界スキャンダルではありません。独善的で能力主義のマイケル・ゴブ氏は、この4年間、自身の生い立ちによって成形された教育へのイデオロギーを半強制的に、急進的にイギリス国民に押し付け、公教育の民営化を進めてきました。国民の大多数からのバッシングにあっても、この姿勢は変わりませんでした。

こうして進められた公立校の民営化によって、「①保護者やスタッフの同意なしにナショナル・カリキュラムから離脱する、②学期と開校日を改編できる、③全国共通の給与と労働条件にしばられない、④自治体の統制から自由となり、教育や子ども向けサービスについての説明責任を地域社会に対して」(※)負う必要がなくなる、といった多くの問題が発生し、教職員らのストや大規模デモが相次ぐ中での退任となり、国民総出で万歳三唱の“Hurray!”が鳴り響いたそうです。(公立校では、朗報を聞きつけた教師たちが教室から飛び出し、歓喜の踊りを舞ったとか。)

一見、話の流れでは私立校には関係がないように聞こえますが、公教育の形が変われば大学の受け入れの形も変わってきます。それと同時に、進学検定試験のためのカリキュラムを、私・公立で区別するのか、それとも合併するのか、などといった課題も生まれます。

イギリスの教育制度は、今日まで、比較的頻繁に大規模な改革が行われてきました。今後、ゴブ氏の後任、ニッキー・モーガン氏がどのように指揮を執っていくのかが興味深いところです。イギリスの政治に目を向けると、私立校内部から見えるものとはまた違った国民性が見えてきます。少しでも興味を持って頂けたなら幸いです。

 

矢部

※長野大学紀要 第34巻第3号 「イギリスにおけるキャメロン連立政権下の教育改革の動向―「民営化」政策と学校査察改革との関係を中心に―」より引用