もう一言ほしかった!

もう一言ほしかった!

文部科学省のホームページで、海外留学予定者への中止勧告(『留学を予定・考えていた日本人学生の皆さんへ』7月21日更新https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1405561_00004.htm )をご覧になった方があるかもしれません。コロナの感染リスクを考慮し、留学の是非を改めて検討しましょうとの内容です。なんと、これは一大事!そもそも、すでに留学中の生徒たちはこれをどう受け留めればよいのでしょうか?

さっそく渡邊オフィスのスタッフが文科省の担当部署へ問い合わせました。説明によると「すでに留学している方ではなく、これから計画を立てる方への忠告」なので、留学中の方へ向けたメッセージではないとのこと。さらに、これから新たに留学をしてはいけないということかどうかを尋ねると、「留学を止めるものではなく、留学するかどうかはあくまで個々の判断にお任せします」とのこと。実は、別の機会に、外務省にも問い合わせてみました。世界150か国ほどの国への渡航中止勧告をしている立場から、留学はどういう位置づけなのか?答えは「生活の基盤が留学先にあると考えられる場合は必ずしも勧告にしたがう必要はなく」、「個々の判断に任せる」とのこと。留学生は学業のためにイギリスへ行っているわけですから、もちろん生活の基盤がイギリスにあると考えるのが当たり前。つまり、留学を止める理由はないということになります。

なーんだ!お役所としては現況下でよかれと思って(あるいは後で『注意してくれたらよかったのに』と言われないように?)発したと思われますが、目にした留学生の保護者や、留学予定者の保護者にとってみれば震え上がるタイトルです。

当然のことではありますが、公的機関は注意喚起をしますが、責任はもってくれません。どんな時も「最後は個々の判断で選択」するようにと言われます。例えば、日本の小中高を辞めて留学しようとする時、どの親御さんも通る道があります。「そもそも義務教育終了前に留学ってしていいの?」― その答えがほしくて在学校や教育委員会や役所に問い合わせても、前例がないだの、できれば〇〇が望ましいだの、と言いつつも「OK」とも「ダメ」とも言いません。いつでも「個々の判断にお任せ」されるのです。今回の件も同じだな、と少し笑えてしまいました。だからこそ、このお騒がせのメッセージの最後に「これは留学中止を義務付けるものではなく、最終判断は各自にお任せします」と、お得意の文言を添えてほしかった!

コロナウィルスのような危機が、今後も私たちを繰り返し襲う可能性は十分にあります。その度に一生に関わる大切なことを断念・妥協するのではなく、自分も周囲も納得できる方法を探りながら歩みを止めないことこそ、今の私たちに必要なのではないでしょうか。そして、それができる力をつけてくれるものの一つが、留学だと思うのです。

山岸