卒業式は一度で十分

卒業式は一度で十分

日本では年度始めを迎え、新入生、新社会人たちを街中でもちらほら見かけます。昨年と違い、コロナで中止されていた入学式や入社式、そして卒業式等も今年は無事対面で行えた学校や会社が多かったのは嬉しいニュースでした。コロナの「収束」はまだ見えないものの、日本も1年前よりは確実にコロナとの「共存」ができる力がついてきた気がします。

この春から留学をするお子さんの親御さんから、コロナがもたらした思わぬメリットについて興味深い話を聞きました。コロナの影響で様々なイベントや行事が省かれた中の一つに「卒業式」がありましたが、その親御さんは上のお子さんのコロナ禍以前に行われた卒業式より、今年行われた下のお子さんの卒業式の方がより感動的だったというのです。

その違いはなんと「事前練習」にあったとか。みなさんも身に覚えがあると思いますが、卒業式と言えば数ヶ月も前から歌や証書授与等の練習を授業時間を削りながらするというのがお決まりでしたが、コロナ禍ではそうはいかず、なんと当日30分予行練習をした後にいきなり本番。ただし本番終了後、生徒はもちろん、先生でさえも「なんだ、できるじゃん」が率直な感想だったそうです!礼法の正確さや厳粛さを求めるばかりに、本来の卒業式の意義を見失っていたことに、コロナのおかげで気付かされたとのことでした。

イギリスのボーディングスクールではこの「事前練習」をコロナに関係なくほとんどしません。学年末のセレモニーはおろか、運動会(Sports day)もほぼ本番のみ。そこには「間違えずにやる」や、「保護者に見せるためにする」という意図は一切なく、本来の「その行事を本人たちが楽しむ」に100%重きを置いているからと言えます。ほぼ通常生活が戻ったイギリスで、今年は学年末の様々な行事が予定通り行われることを願って止みません。

鐵屋