適応障害

適応障害

昨今よく耳にする言葉です。つまり周りに合わせることができず苦しむ精神的な病とされています。主な原因は生活の急激な変化によるものだというのが一般的な考え方のようです。

留学というのは、まさに異国の地の異国の文化と言葉の中で暮らすことです。本来これだけ今まで慣れ親しんできたものからいきなり暮らしを変えるわけですから、不適応が起こっても不思議はないという理屈になります。

しかし、イギリスへの留学をお世話して43年になりますが、ある程度馴染むのに時間がかかっても「適応障害」で途中で留学を断念して帰国した子は一人もいないのです。確かに留学初期は今まで当たり前だった日本の習慣とは違う大きな戸惑いは感じるでしょう。例えば、イギリスでは日本のように何事にも正確さを追求しないところがあります。ある種「いい加減」と感じることはあるでしょう。しかし自分に置き換えてみれば、間違いに対して寛容であることはメリットにもデメリットにもなるのです。イギリスの寛容さ、優しさ、相手を責めない態度などなど日本にない「生きやすさ」も時間とともに感じてくるのだと思います。日本とイギリスを行ったり来たりしている留学生をみていると、この適応スイッチの切り替えの上手さを感じます。郷に入れば郷に従えをしっかりと学んでいるのです。留学が始まると日常的にあらゆることが違ってきます。それをあえて日本にいる時のようにしようとするのではなく、「違う」ことを受け入れ、その中で自分がより快適になれるように工夫をする・・ということを過去現在に渡り、留学生は身に着けてきたのではないでしょうか。

昨今この「他を受け入れる」という行為が下手な人が増えているのかもしれません。グローバル化の時代に逆流していますね。我々は益々「異分子」を受け入れることに慣れていかなければいけない時代なのに。まあ「留学」はある種「適応」に慣れる良い薬なのかもしれません。

渡邊