この季節、つきなみですが。

この季節、つきなみですが。

15年前の3月上旬、当時の英国本部スタッフが来日中のことでした。初来日の彼女の日本理解のためと、京都・奈良への2泊旅行を計画。しかし着いた途端に彼女の風邪をもらったかのように私の咳が始まり、日中はティッシュを離せず、宿では夜通し布団の中で咳き込む苦行の連続。帰宅後、ようやく事務所近くのクリニックで花粉症と判明、アレルギーテストの結果は見事にスギ花粉を示していました。「ついに来た」。同時に頭を過ったのは製薬会社のテレビCMで風に吹かれてゆっさゆっさと黄色い花粉をまき散らす杉林の映像。もちろん林の手前にあるのは金閣寺です。(笑)「神社仏閣に杉の木が多いのは当たり前じゃん!」と苦行の原因も判ってスッキリしたものの、以来、飲み薬も‘鼻セレブ’ティッシュも効かない3月の京都・奈良は私にとって無縁のものとなっただけでなく、英国スタッフの訪問チャンスも途絶えてしまいました。申し訳ない。

さて花粉症が常用語になって日が浅い日本と違い、イギリスでは花粉症=hayfeverは言葉としてはずいぶん昔からあるメジャーなものだそうです。ただ、「ちょっと鼻炎っぽい」程度でもhayfeverと言ってしまうアバウトさがあり、日本ほど「アレルギーか、そうでないか」とはっきりさせたがる人もいません。だから予防や緩和グッズもあまり出回っていないようです。(そもそも昨年の新型インフルの時でさえも、マスクをしようという呼びかけは起きなかった国ですから、マスクが何かの役に立つなんて思いもよらないのでしょう) そしてイギリスでの花粉症の季節は花が生い茂る初夏から夏にかけて。日本とはズレるんですね。私も毎年5月にはボーディング・スクールを訪ねてかなりの‘カントリーサイド’へ足をのばしますが、幸運なことにイギリスの草花には一切アレルギー反応は起きません。といっても今のところは、ですが。

どうせなら、日本で花粉まっただ中の2~3月にイギリス出張をしたいと思うのですが、それは「絶対にあり得ない」こと。春は新規留学生の出発の時期で国内での仕事が一番多い季節なのです。あー残念。

山岸いつみ

お子さんを留学させたいけれど、アレルギーが心配。。一度ボーディングスクール留学のQ&Aをご覧ください。