ちょっと変わったイギリスの大学受験

ちょっと変わったイギリスの大学受験

今年も日本は暑い夏、お盆のシーズン真っ最中に英国の大学合否発表がありました。実は 英国の大学受験の方法は日本やアメリカと大きく違います。

まず、日本の大学受験のようにそれぞれの大学に出願するのではなく、すべての出願をまとめるいわば「受験センター」のようなものが英国にはあり、一切の英国全土の大学出願を取り仕切ります。これは何十年も続いている大変優れたシステムで、願書は1つのみ提出なので、受験生の手間を大きく省きますし、受験費用も安価です。

次に特異なのは、いわゆる大学別の入試がないことです。と言ってももちろん無試験ではありません!英国の子供達は14歳から全国統一の検定試験の勉強を始め、教科別の成績を取得します。そして、最後の18才の夏に受ける検定試験の成績が大学の合否を決定するのです。この試験の結果の発表が毎年8月の第2または第3木曜日と決まっていて、その結果により自分の入学出来る大学が決まります。 もっとも英国的と言えるのは、入学条件が各自違うということです。出願後、各大学は各受験生に入学条件(=検定試験の成績)を渡します。この条件を満たす検定試験の成績を取れば、「合格」というわけです。 たぶんこのシステムを日本が採用したら、「不平等この上ない」と非難されるでしょうね。英国では大学入学も就職も同様に大学も企業も自分たちが欲しい人材を確保する権利があります。ですから就活とおなじように受験生は出願時に自己アピールする機会が与えられます。いわば就活の時のエントリーシートのようなものの提出や面接があり、それにより大学は「条件」を決め、各受験者に提示するのです。 そういう意味でも英国は日本より一足早く、学生を社会人並みに扱い、自分をアピールするスキルを身に付けさせるとも言えると思います。

今年の渡邊オフィスの受験生は全員第一志望校に合格し、難関の医学部なども含み大成功です。受験者達は、学力だけでなく、今までの留学生活で身に付けた力を十分に生かした結果を心より喜んでいるはずです。 9月は足並み軽く、帰英することでしょう。

渡邊