イギリスは不味い

イギリスは不味い

最近の世界的なグルメブームでもうそろそろ「イギリスは食べ物が不味い」という評判が消えるのではないかと思っていましたが、これがなかなかシブトイ。「日本人は数学が得意」という今やインド人もびっくりという風評と同じくらい人々の固定概念が変わるのに時間がかかるようです。

確かに私のイギリス留学時代である1960年代のイギリスの食べ物のバラエティは日本人の私からみれば、恐ろしく貧弱なものでした。これでもかと言うほどのポテト尽くしの学校の給食は食べ盛りの女の子にしてみれば大敵。しかも塩と胡椒以外の調味料を使った形跡なし。不味い以前に味がしません! 私と同世代のイギリス人に聞いても「あれは酷かった。今の子供達は幸せだ」とのコメントが返ってきます。

そうです。今はどこのBoarding Schoolも専門のケータリング会社が参入し、競争も激しくホテルのブッフェ並みの食事を出すようになっています。温かい料理、冷たい料理、サラダバーにおしゃれなデザートと言ったラインアップに世界中の子供達が大好きなカレー、スパゲッティミートソース、ピザも加わります。留学生の子達からの食事の文句がめっきり減りました。

日本ほど世界中の食材が集まり、世界中の味が本国よりもさらに洗練されて楽しめる国はないと思いますが、イギリスもそこは多民族の集まりだけあって各国の香辛料をたっぷり使った料理を味わうことが出来ます。食べ物に保守的だったイギリス人もどんどん新しい味にチャレンジする姿勢が出てきて、それに健康志向のベジタリアンやヴィーガンなどが加わり、スーパーマーケットの食品棚は日本に劣らずインターナショナルです。

あれ?ではイギリス料理はどうなったのでしょうか?これは相も変わらずローストビーフとフィッシュアンドチップスの領域を越えず、根強い国民食としてやはりイギリス人の好物のようです!

これからのシーズンにイギリスでお子さんに合流して夏休みの旅を楽しまれるご家族も多くなることでしょう。さて皆さんは典型的なイギリス料理、多民族のスパイシーな料理のどれを選ばれるのか・・日本食が恋しい留学生に選択権があったりするかもしれませんね(笑)

渡邊