イギリス人の知っている意外な日本

イギリス人の知っている意外な日本

日本にいると全く意識しないのに、外国へ行くとやたら日本語の店や品物を意識してしまいます。留学中は特に「日本語」に飢えているため、よく日本から持ち帰った雑誌等、いつもは読まない最後の怪しい通販のページまで読んだものです(笑)

私は当時ロンドンから3時間以上離れたボーディングスクールでの唯一の日本人でした。しかしながらなぜか近くの町にひとつ日本食品店がありました。名前は「Setonaikai-瀬戸内海」。よって学校の生徒の多くは日本というとSushiでもMt Fujiでもなく、「Setonaikai」は有名かとよく聞かれたものでした。

もうひとつ、みなさんは「さつま」と聞くとなにを思いますか?さつまいも、薩摩藩、さつま揚げ・・・特にこの時期、イギリス人は「Satuma(サチューマ)」が大好きです。答えは・・・みかん!無類のフルーツ好きの私は、当時どうしてもみかんが食べたく、辞書で引き引きガーディアンさんに「Tangerine」がほしいと言うと、Satsumaのこと?と聞かれました。いや~ちがうちがう、と思いつつスーパーに行くと、みかん売り場には「Satsuma」の文字が。後々わかったのは、さつまと呼ばれる日本のみかんの品種がヨーロッパでは多く作られイギリスに輸入されており、それがそのまま呼び名になったようです。皮が柔らかく、手で剥けるオレンジというお手軽フルーツとして、Satsumaは今ではイギリス人にとってのクリスマスフルーツだそうです。

こたつこそありませんが、今年もテーブルに置かれた大量のみかんを眺めながら、当時のSatsumaとその名前をちょっと誇らしげに思った自分を思い出します。

 

鐵屋