イースターはチョコレート

イースターはチョコレート

遥か昔、私の通った幼稚園はキリスト教系で、イースターの時にゆで卵に絵を描くというアクティビティーがありました。
絵の具と手垢でぐちゃぐちゃの卵の殻を割って食すのは嫌だな、とかぼんやり思った記憶がありますが、そのアクティビティーの意味が何であるかはまるで考えませんでした。というか、この仕事をするまで考えたことはありませんでした。本来のイースターの意味をご存じない方は、お子さんに尋ねてみるか、(残念ながらお子さんが答えを知らない場合は一緒に)ウィキでお調べいただき、ぜひ正しい知識を得てくださいね。

先週末までに春休みでほぼ全員の渡邊オフィス留学生が帰国しましたが、ウサギの形のチョコレートや、卵型のチョコレートを持ち帰ってきたお子さんはいませんでしたか?高級chocolatierなど、これに因んだ季節商品を出しているところも多くあります。ウサギと卵はイースターに由来していますが、チョコレートは後世にチョコレートメーカーが商売のために広めたものですよね。でも、いまでは「イースターはチョコレートを食べる日」と思い込んでいる人がいて、刷り込みは恐ろしいと思ったりします。

何年も前、抱きかかえるくらい大きなウサギのチョコレートをイギリスから持ってきてくれた来訪者がありました。書類や学校案内書など、山ほどの荷物と一緒に大事に大事にパッキングされ、運ばれてきたバニーちゃん。残念ながらそのバニーは過保護に運ばれてきたのにもかかわらず身体の一部にヒビが入っており、それを彼女はたいそう悔しがっていましたが、原型をほぼ留めるそのバニーを遠路より運べたことに満足しているようでした。思えば、イギリスの「季節の風物詩」を私たちに見せたい一心で運んできてくれたのでしょう。その気持ちと、あの巨大サイズのバニーを選んだ彼女の心意気に感動しましたっけ。

そのバニーちゃん、中身がどうなっていたかお教えします。実は中は空洞で(ゆえに壊れやすい)、そこにはさらに卵型のチョコレートがいくつも収められていたのです。イースターはご存じのようにその年により日程が動く祝日ですが、その年はたまたま遅く4月の下旬。日本はすっかり初夏の気候でしたが、その巨大なバニーは溶けることなく解体され、スタッフの胃に収まっていきました。

そして、イースターの元来の意味を知ったはずの私は、未だにイースターと聞くと「ウサギのチョコレート」ばかりを思い出してしまいます。

山岸