ウェリントンブーツ

ウェリントンブーツ

先日は東京でまさかの初雪。なんと11月に観測されたのは54年ぶりだったそうです。
こんな時に欠かせないのは長靴。最近はゲリラ豪雨なども頻繁に起こるため、長靴が1年を通して手放せなくなっています。町中でもこの頃よく「長靴女子」を見かける確率が高くなった気がしており、ちょっとしたロングブーツ感覚で憂鬱な雨の日も楽しく過ごせるアイテムの一つになっています。

イギリスでは長靴のことを「Wellington Boots(ウェリントンブーツ)」、通称「Wellies(ウェリーズ)」と呼んだりします。多くの方がお子様のボーディングスクール入学時に、制服リストに入っているのを見たことがあるかもしれません。確かに雨の多い印象のイギリスですが、果たしてそこまで長靴が必要か?と思った方もいらっしゃると思います。実はかなりの頻度で登場します。野山、畑、そしてラグビー、サッカー、ラクロスなどの広大なスポーツフィールドに囲まれた多くのボーディングスクールから水たまりとぬかるみは消えることはなく、ちょっとそこまで散歩、なんて時も運動靴か、長靴かのどちらかで迷うことはしょっちゅうです。

名前の由来は、19世紀にウェリントン公爵が乗馬時の騎兵がすねに頻繁に怪我をすることを気にかけ、膝下まであるブーツを作らせたことが始まりだとか。第一次世界大戦でイギリス軍はヨーロッパのぬかるんだ塹壕で戦うことを余儀なくされていたため、当時のNorth British Rubber Company社=なんと今のハンター社が昼夜工場を稼働させ、合計100万足以上のブーツを作成したと言われています。

果たして日本では幕末から今まで続いているファッションがあるでしょうか?まさかの「わらじ」ブームが来ないとは断言できませんが(笑)、こんなところにもイギリスの「伝統」が生きていることにしみじみ感心してしまいます。

鐵屋