カード社会

カード社会

以前も取り上げたリニューアルされたポンドの話。先月から女性小説家のジェーンオースティンが描かれた新しいお札10ポンドが出回り始めました。カード社会のイギリスでも5ポンドや10ポンド紙幣はお財布に入っていることも多いですね。

さて、まだまだ渡邊オフィスの留学生は現金でのお小遣い支給がメインですが、イギリスの大学に進学が決まった留学生が一番先にすることは、銀行口座開設といっても過言ではありません。口座を開設することで自動的に発行されるデビットカードさえ手に入れば、数ペンスのチョコレートから、数ポンドのパブのビール、数十ポンドの携帯料金の支払いまで、全ての支払いをカード済ますことが出来ます。さらに最近のデビットカードには、「Contactless payment機能」も自動的についてきます。この機能は事前設定・登録は不要、30ポンドまでは、日本のSuicaのように、ただタッチするだけで支払いを済ますことが出来る、という優れものです。(ちなみに、Suicaにもオートチャージの機能がありますが、手続きがやや面倒であることもあり利用者が少ない印象です。またオートチャージされる金額も高く設定できるため、紛失した場合に損をするリスクがあります。)

カード社会になる理由は、前述したような便利さに加えて、以前のブログで書いたように、イギリスでは偽造されたお金がかなり出回っているということもあるのではないでしょうか。特に紙幣は硬貨と違い、損失も大きいことから、店側は全ての紙幣を特殊なペンや専用の機械を通して真偽をチェックする必要があり、手間暇がかかります。よって、偽造通貨であるリスクを回避するためにもカードでも支払いを歓迎しているように見えます。(個人的には、そもそも店員がお釣りの計算が面倒、間違えるという風にも見えますが。)

一方、日本では、コンビニエンスストアなど、カード使用不可のところも多く、かなりの高額だったとしても現金での支払いが多いですね。思い返せば、前職では、数百万円を役所に納めるために、現金を電車で運搬したこともありました。日本は治安が良いために、現金を持ち歩くことに対する不安を感じない人が多いのではないでしょうか。さらに、カード会社に対する手数料を店側が負担するということもあり、カードが使えないお店も日本にはまだまだたくさんあります。私自身、観光に訪れた外国人が駅やコンビニで、カード片手に右往左往している姿を何度か見かけ、アドバイスをしたことがあります。

どの観点から見ても、まだまだ日本の現金主義は続きそうですね。

 

後藤