チャリティー尽くし

チャリティー尽くし

12月9日の今日は、イギリスではChristmas Jumper Dayです。10年くらい前からでしょうか、学校から「●●日はクリスマスのセーターを着る日」とお知らせが届くようになりました。クリスマスのセーターとは、サンタやトナカイなど典型的なクリスマス柄の赤や緑の派手なセーターのことを指します。このセーターのイベント、当初はクリスマスが近い一日を学校で楽しく過ごす行事だと思い込んでいたのですが、後で分かったことには、これは「Save the children」というチャリティー団体から派生したれっきとした募金活動だったということです!この日は子ども達もお小遣いから寄付をし、派手なセーターを着て楽しくお金を集めます。

そう、イギリスではクリスマスが近づくと、とにかく奉仕活動が盛んになります。この世のどこかでクリスマスプレゼントをもらうことなく、寒く、ひもじい思いをしている人達に思いを寄せ、あらゆる方法でお金や物資を募るのです。活動は1つや2つではありません。学校関係だけでも、父母の会から生徒や教師の有志まで、数えきれないほどの発起人がいます。例えば、景品を保護者から募ってチャリティーオークションを開催。“2泊3日の高級リゾートでの休暇”、“高級車に1日乗れる権利”、といった豪華な品書きです。バザーに出る品々やその脇で振舞われるお菓子やドリンクの数々も魅力的で、本気で参加しようかと思うほど。また、品物を寄付する人のために、アマゾンの購入リストも提供されていたりします。さらに、今年はウクライナでの救援活動を展開している学校もたくさんあります。規模の大きいものはクラウドファンディングが主流で、例えばピザのフードトラックを前線近くへ送ろうというもの。「おやつを我慢して2ポンド」を送る子どもや、学校関係以外の方達まで、あらゆる人が参画しているのが見て取れます。渡邊オフィスの父兄からも参加した方がありました。以上、どれもこれもアイデアに満ち、集客効果抜群のものばかり。 一方、日本でもおなじみ「歳末助け合い」の季節。ただ、これっていったいどこで誰が活動して、集まったお金でどこにどう支援が届いているのか、はっきりしません。半世紀以上の歴史ある募金活動だそうですが、浸透率が低そうです。そして、役所の方や町内会の一部の人たちが動くというやり方、何となく地味で古くさく感じませんか?人助けの精神はあるのですから、そこに楽しい発想が加わったら、もっと身近で明るく、誰でも気軽に参加できるきっかけが作れるのに。と、ついイギリスと比較してしまうのでした。

山岸