ヒマな時に思いつくつまらない話

ヒマな時に思いつくつまらない話

10年ほど前まで、渡邊オフィスでは暮れ近くになるとご父兄あてのお便りに「冬休みはイギリスへの滞在は理由の如何にかかわらず禁止」とわざわざ注意を促していました。いまは全員帰国が慣行化してその必要もなくなりましたが、当時は「ガーディアンのお家で過ごしたい!」とか、時折、大きな勘違いをした生徒が「友達と旅行したい」などと申し出てきたりしたものです。そのたびに「クリスマスに旅行なんてとんでもない!」と説得しなければなりませんでした。

というのも、12月25日はイギリスの公共交通機関は全面的に運休します。イギリスに住む方にとってはまるで当たり前のことかもしれませんが、鉄道、地下鉄、バス、空港行エクスプレス、等々、すべて、利用できません。まぁ、タクシーは個人事業のため稼働していますが、どうでしょう。この状態では旅行は計画しないほうが無難です。

イギリスのクリスマスにあたる日本の最大の年中行事は、やはりお正月。しかし、日本はイギリスとは真逆で、すべての交通機関が大晦日から正月にかけて絶賛稼働中。もちろん、初詣という大事なお勤めのためにはそれが不可欠です。理由はあれど、日本は電車もコンビニも一年中完全な休暇をもらうことはないんですね。一方、イギリスで「オフ」といったら、本気でゼロ。なーんにもしません。間引き運転とか休日運転と細かいことはせず、すっぱり全面運休なんですね。このメリハリ感。ボーディング・スクールのオン(学期中)とオフ(長期休み中)の過ごし方の違いにも表れているなぁと、一週間の冬休み中にぼんやり考えていた私は、やはりメリハリ感のない日本人気質のようです。

山岸