プレゼントの運命やいかに

プレゼントの運命やいかに

さて、いよいよ子供たちが待ちに待ったクリスマスが近づいてきましたね!「サンタさん」たちはプレゼントの用意も済んで、あとは当日を待つのみ、でしょうか?それとも、まだ慌てて準備中の「サンタさん」もいらっしゃるでしょうか?

現代ではプレゼントの準備に宅急便や郵便などの配送サービスが欠かせないかと思いますが、イギリスも例外ではなく、たくさんの人がオンラインでプレゼントを注文・取り寄せ、思い思いのラッピングを施して準備をします。ところが、Royal Mail(日本の日本郵政のようなもの)で働く多くの職員が12月23日、24日に待遇改善を求めるストを決行することになりました。実は12月に入ってからも何度かストが行われており、決して良いとは言えないイギリスの郵便事情がますます悪化しているという現状がありました。そのため、「頼んでいたクリスマスプレゼントが1か月経ってもまだ来ない」「問い合わせをしてもどうにもならない」と、急遽お買い物に繰り出す方も多くいるのだそうです。渡邊オフィスも毎年クリスマスカードをボーディングスクールやホストファミリーに出していますが、今年は果たして届いているのか…不安が残ります。しかし、「よりによってこの時期に…」という多くの人の想いがあるのと同時に、Royal Mailで働く人々にも背に腹は代えられない現状があります。イギリスでの急激なインフレの影響で、Royal Mailだけでなく空港や鉄道職員などいわゆるエッセンシャルワーカーに分類される人々の生活がひっ迫しており、各地でストが実行されています。ほとんどストが起こらない日本と比べると、イギリスをはじめ欧米諸国ではストが頻発し、人々の生活に影響を及ぼすこともありますが、だからこそ雇用しているほうも真剣に対応をするという側面もあります。日本の賃金上昇率が他の先進国と比較しても低いことの原因の一つは、労働者が声を上げないということにある可能性も否定できません。ところが、ストの頻発を受けて、スナク政権はストを容易に起こすことのできない法案を近日中に作成するとのことです。それが果たして解決策になっているのでしょうか。ストを起こすことのできる文化があるにも関わらず、それを封じ込めてしまったら、人々の不満はどこへ向かうのでしょうか。

家族で過ごす時間を何よりも大切にするイギリス人にとって一年で最も重要な時期、クリスマス。問題解決は容易ではないですが、少しでも多くの子供の手にプレゼントが渡ること、そして皆が心穏やかなクリスマスを迎えられるよう願ってやみません。

渡邊オフィスは2022年12月27日~2023年1月5日が冬季休業です。本ブログの再開は2023年1月13日(金)ですので、お楽しみに!

またしても激動の一年でしたが、今年も一年ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

Merry Christmas and a Happy New Year!

小島