ラテン語の面白さ

ラテン語の面白さ

私が留学時代にお世話になったホストファミリーのご主人はラテン語の先生を30年以上されていた方で、私の母校や、渡邊オフィスの生徒にも人気の某プレップスクールでも長年教えていらっしゃいました。

留学当時、わたしがわからない言葉について質問をすると、答えの代わりに「その言葉はラテン語の○○という言葉からできてるんだ」、や「△△と□□という言葉が合わさってできた言葉だから~」のようなレクチャーが始まり、またこの話か…英語もわからないのにもっとわからないこと話されても…早く答えを教えてくれないかな…と思ったものでした。実は3年前の今月、90歳でお亡くなりになったのですが、今ならもっと興味深く話を聞けたのにな…と少しの後悔を抱きつつ、当時聞いたいくつかの言葉の意味の中から、今の季節にちなんで「クリスマス」を選んでみました。

「Christmas」という言葉は実は最近(といっても1000年程前)作られた言葉で、ご存じの方は多いかもしれませんが、「Christ‘s Mass」=「キリストの典礼」の略語です。ラテン語では「Dies Natalis Solis Invicti」=Birth of the Invincible Sun = ローマの神の誕生を意味する言葉となり、ローマの神が生まれた日=12月25日が年月を経てキリスト教徒により、キリストの誕生日に変わったというのが歴史だそうです。

ラテン語やギリシャ語等、「Ancient language」と呼ばれる古代語はいわば「死語」。習う意味があるのかという意見がたまにありますが、何気なくいつも使っている言葉ひとつひとつが歴史とつながっていると思うと、なんて奥深い科目なのだろうと改めて感じます。最近はクリスマス前になると、ホストファミリーのご主人ともう一度話したいな…と少々センチメンタルな気分になるのでした。

鐵屋