伝統を感じる

伝統を感じる

皆さまどうお過ごしでしょうか? イギリスは約2か月前からクリスマス商戦が始まります。モミの木が大量に売れ始めます。何しろ一年で一番大きなイベントですから、商店だけでなく、各家庭でもその力の入れ方は半端ではありません。

クリスマスは「家族で過ごす」これがイギリスの伝統で、今尚続いています。どうやったら親族全員を普段は家族だけで過ごしている家に泊まらせるのか・・・と不思議な位、寝袋だの、家のソファーなども総動員で「年に一回みんなが集う日」を演出します。日ごろ親しい人を家に招くのがイギリス式ですから、その集大成と言ってもいいでしょう。ですからよほど大邸宅でない限り、クリスマスに他人を泊める余裕は普通ありません。

盆暮れがないイギリスですが、この時とばかりプレゼントの交換が行われます。集まる人達全員と漏れなくプレゼントを交換しなければならないのは、揃える方もかなりの苦労です。「もうクリスマスショッピングをした?」と聞き合うのもこの時期の風物詩。その為に休日を与える会社もあるくらいです。

日本のクリスマスは?とイギリス人に聞かれると、まあキリスト教の国じゃないからと逃げはするものの、「なんでクリスマスケーキは食べるの?」と言われると返事に困ります。イギリスの伝統的なクリスマスケーキに生クリームは使わずに、ドライフルーツがギッシリ入った日持ちのするお菓子です。何か月も前から作り出し、その上をアーモンドパウダーのペーストでかぶせ、またその上には砂糖とレモンジュースで作った硬いアイシングで飾ります。アイシングでカチカチのケーキを薄くカットしてクリスマスディナーの後で食します。学校の料理の時間でも子供達がつくり、その成果を競ったり。11月頃に学校を訪問すると、見事に様々のアイシングを施したケーキが並んでいて目を楽しませてくれます。

こういう時に感じるのは伝統というものの良さです。日本を離れて留学していた時代には、この季節になると、妙に日本のおせち料理が懐かしくなったものです。現在日本にいておせち料理をどれだけの人が評価するのか・・・外国にいたからこそ感じる日本の良さの一つだと思います

今年もあと少し、コロナに引き続き振り回される1年でしたが、この機会に是非とも「日本」を味合わせてあげてください!

渡邊