受験事情 英国と日本

受験事情 英国と日本

夏休みは英国の全国統一試験の結果発表の時期でもあります。我が家には今年、高校受験を控えた中三の息子がおり、英国と日本の受験の違いについて考えさせられることしかりです。 ご存知のとおり、日本の高校受験を控えた中3生のほとんどが、夏休み塾などに通い、「夏を制する者は受験を制す。」などと塾のキャッチコピーさながら、わが子も例にもれず学習時間は1日8時間以上が当たり前、模擬試験、学校見学と忙しい毎日です。 親は子供の志望校選びに頭を抱え、子供はひたすら偏差値、内申を気にしながら机に向かうといったところでしょうか? しかし、塾に行くため家族と別に夕食をとったり、夏休みは旅行どころか映画を見に行くことすらままならないようです。(うちの子の場合は、やる気スイッチが入ったのが遅く、そのつけが回ってきたのですが) 日本の受験の風潮を否定するつもりはないのですが、親、学校や塾の先生など大人も子供に対して近視眼的なとらえ方をしてしまっているような気がします。 そして子供達は将来の目標や夢について考える時間、家族や友達と触れ合う心の余裕を失ってしまっていると感じます。

一方、英国のボーディングスクールで暮らすお子さん達は常に他人、しかも外国人に囲まれた中で生活し、切磋琢磨しているだけに、目的志向が自然と培われるようです。 勉強だけではなく、先生、違う国籍の生徒達、ガーディアンへ気を遣いながら、スポーツやボランティア、さまざまなアクティビティをこなします。 そこには受験生だからという特別な扱いはありません。

先日、愚息と同学年の生徒さん達(Year10)が渡邊オフィスに集まった際、私もディスカッションに立ち会わせていただきました。 屈託のない笑顔と英国生活ならではのエピソードを披露する姿は、日本の生徒さんとは違う逞しさ、自信が感じられ、非常に頼もしく感じられました。 「人種差別や日本について常に考える様になった」 「将来は日本と外国のかけ橋になるような仕事に就きたい」。彼らも来年GCSE(全国統一試験)を受験を控えています。良い知らせを私達に運んでくれると確信しております。

金子