壮大な事業計画

壮大な事業計画

コロナ期が名実ともに明け、続々とイギリスから学校代表者が来日しています。そんな中、先日、あるボーディングスクールのレセプションに参加してきました。主催は渡邊オフィスからの留学生の一人が入学予定の、伝統ある共学校。

校長自らと、Development Directorと呼ばれるいわば学校の開発事業部長のような立場の先生が主催したパーティには、同校の卒業生(日本人の他に日本に住むイギリス人なども含む)、在校生の保護者、入学予定者やその家族らが招かれていました。至ってリラックスした雰囲気の中での立食、懇談の途中、校長が挨拶に加え、スライドを使って学校の現在や、今後の学校の事業計画を紹介し、計画達成に必要な予算をプレゼン。ざっくりとその内容をご紹介すると;

・奨学金のさらなる充実(目標額約1億3千万円)

・クッキングスクールを開校し、生徒や一般の地元の人々が利用(同1億7千万円)

・ゼロカーボンを意識した 6th formセンターのリニューアル(同4億3千万円)

かなり高額な予算を必要としていますが、学校がこれだけの財源をどのように確保するのか、おわかりでしょうか?実はその多くを「寄付」で賄うのです。今回のプレゼンでも予算額と合わせて現在集まった寄付の額、そして「目標まであといくら」が数字でしっかり示されています。ということで、このレセプションは同窓会であると同時に、募金活動の役割も果たしているのです。このプレゼン以外に寄付活動への勧誘などは一切ありませんので、お集りの方々がどれだけそれを認識されていたのかは不明ですが!

実は、どのボーディングスクールも同様のイベントを頻繁に催しています。国内はもとより、多くの卒業生を輩出し、国籍を問わず多くの卒業生が住む香港やシンガポールなどでは、日本とは比較にならないほどの規模で定期的に開催され、寄付金集めにも大きく貢献していることでしょう。そして、集まる卒業生にとってもそこが単なる懐かしい面々との再開の場である以上に、ネットワーキングの機会となっていることも特筆すべき点と言えます。

このような会を催すほどにイギリスのボーディングスクールの卒業生が増えているとは、何とも喜ばしい傾向だと感じました。今回お会いした校長に「来年は?」とお尋ねすると、「もちろん開催します。ただし、私が来日することを条件にね」とすかさず日本びいきのアピールがありました。

山岸