嬉しいことがありました!

嬉しいことがありました!

毎年この時期は似通ったブログを書いている気もするのですが、繰り返し書きたくなるほど嬉しいことって、あるんですよね! 今の時期、イギリスのプレップスクールは話題に事欠きません。最上級生のYear 8が、シニアスクールの各種スカラシップ試験を受け、その結果が出揃うからです。今年の渡邊オフィスのYear 8も大健闘しました。美術奨学金を2名、スポーツ奨学金を1名が獲得したのです。今年はかなりシャイであった子ども達が自らチャレンジを決めて獲得したことに、ことさら喜んでおります。おめでとう!

 

ここでおさらいですが、スカラシップとはいわゆる各分野においての特待生制度。学業、音楽、美術、スポーツ、デザインテクノロジー、オールラウンダー、などがあり、一般公募です。獲得した生徒には学費の一部免除などの特典が付与されます。そもそもスカラシップ受験は、生徒本人が「受けたい」と意思表示をすることから始まることがほとんどです。これまでの経験上、たいていの場合はプレップは受験に賛同してくれます。授業外にスカラシップメンバーだけの練習をしたり、ワークショップをしたり、と熱心にサポート。本人たちにとってもやり甲斐のある楽しい部活さながらで、受験とは異なる要素を持ちます。本番が終わると、どの子も試験が「楽しかった」。そして、チャレンジした事への満足感と達成感。

 

さてこのスカラシップ。シニアスクールに入学したら基本的には在学する5年間ずっといただけることになっています。もちろん、目立った不品行や、それぞれの分野での活動が著しく乏しくなった時には見直しがかけられるそうですが、そんなケースを見たことはありません。そして、私たちが思うほどにはスカラー(スカラシップをもらっている生徒)達にプレッシャーは感じられません。学校はキツイ縛りを設けて「ご褒美をあげる代わりに学校へ貢献しなさい」という態度はまるで見せず、たとえば学校によっては美術スカラーがAレベルで美術を選択しなくてもよいことになっていたります。それどころか、学校はそれぞれのスカラーに抜群の環境を与え、あとはスカラーの思うまま、自由に活動してごらんなさい、とあくまでチャンスとチャレンジの場を与えているだけに見えます。

 

なぜか?学校がスカラーに求めているのは「楽しんで活動している姿を見せること」。それにつられて他の生徒達がいい刺激を受け、ひいては学校への貢献となる。渡邊オフィスのスカラーたちも、「好きな事をのびのびとたくさんやれる」と、楽しい方向に考えているのでしょう。特待生というとプレッシャーを連想してしまうのは実は日本的で、子ども達が「好きな事を好きなまま続けて」いられるようなイギリスのリラックス感は、押し付けずに自然に生徒の自主性や個性が育つ、というイギリスの教育が光る一面な気がします。

 

山岸