懐かしいドキドキ

懐かしいドキドキ

着々と2月の14日が近づいてきています。

頑張って手作りチョコを用意、素敵なディナーを予約してくれていることを期待、同僚向けの義理チョコを大量購入、など、男女を問わずやっぱり何故か意識してしまう、または意識しなければならない日ですよね。ちなみに私は今のところなんの予定もありません(笑)。

イギリス、特にボーディングスクールではどのように過ごされているのでしょうか。男子校や女子校の生徒はどんな手段を使って想いを伝えているのでしょう。私の実体験はもう10年も前の女子校シニアスクールのことなので、今は通用しない話だと思われますが、ご紹介させて頂きます。

先ず、共学校であれば出会いはいっぱいあるでしょうが、別々の場合はどういった方法で異性と交流しているのか。もちろん家族つながりの異性の友達や、プレップスクールが共学であれば知り合いは多いと思いますが、学期中に会う機会はあまりありません。その代わりに、学校が各学年の寮ごとに男子校とのパーティーを開いてくれます。土曜日の夜に講堂や演劇ホールで行われ、その日は皆いつもしない化粧をし、パーティー用ドレスをあれでもないこれでもないと何度も着替えて決めます。男子はこれでもかというほど時間をかけて髪をセットしてきます。パーティー開始時間直前に学校から大型バスに乗って来た男子が到着し、3時間程の貴重な時間が始まります。低学年の頃はお互いギクシャクしながらあまり混じることもなく終わるものですが、学年が上がるにつれ、会う機会を重ねるにつれ、脇目も振らずに楽しく過ごすようになります。こういった機会を経て、彼氏や異性の友達を作るのです。

さて、本題のバレンタインデーの話です。イギリスでの主流は、女子が男子にチョコで想いを伝える、ではなく、女子でも男子でも手作りのバレンタインカードを意中の相手にRoyal Mailで送ることです。特徴的なのは、送り主は本名を隠し「Mr. X」または「Ms. X」と名乗ることです。相手に付き合っている人がいても送るので、幾つか届いた時には、誰から送られたのかをドキドキしながら当てる楽しさがあります。学校では2月始めから図工(Design&Technology)室からピンクや赤系統の厚紙やペンが消え始め、14日朝に寮のpigeon hole(鳩小屋のようにAからZまで小さく仕切られたポスト)に皆でダッシュで向かいます。大抵の場合、少なくとも親からは送られてくるので届くカードがゼロということはあまりありません。そして、皆キャッキャッと興奮しながら、筆跡や消印からMr. Xたちを解明する作業に入ります。どうですか、楽しそうでしょう!

現状がどうなのか気になります。きっと推測するまでもなく、メールやSNSで簡単に送信しているのでしょうね。そうなると匿名で送ることは可能なのか。。。出来るサービスが何かしら開発されているはず。今年のバレンタインはハーフタームの初日という学校が多いようです。手間がかかっても、この伝統を絶やさないでいてくれていることを願います。

矢部