昔の話を少しだけ・・・

昔の話を少しだけ・・・

クリスマスの次の日、12月26日は、英国ではBoxing Dayという祝日です。この言葉を最初に聞いた時はいわゆるボクシングの風景が頭に浮かび、まったく意味不明でした。今では週末は当然仕事は休みとなっている英国も昔の労働条件は悪く、頻繁に休みは取れず、労働者はクリスマスの休暇をみな心待ちにしていました。 これと同じく、日本も昔は労働者はめったに休みを貰えませんでした。「藪入り」という昔の日本の習慣をご存知ですか? (古すぎ?今や落語にしか登場しないかもしれません!) 江戸時代からの習慣のようですが、休みは「盆暮れ」だけ。地方から出てきている人がやっと休みを貰えて故郷に帰れたわけです。英国はクリスマスの翌日、日本は正月が終わってからというように忙しいイベントが終了してからの休暇です。そして今では日本にもなくなってきた習慣の「御用聞き」という自宅に注文を取りに行き、物品を届ける習慣も英国にもあったのです。サザエさんの三河屋のサブちゃんです! Boxing Dayにはそうした状況下で、久々に休みを取る個人宅の「雇い人」または「御用聞き」に日頃の労を労うために若干のプレゼントを渡すことが習いだったそうです。ですから、Box =プレゼントとなります。 日本でも正月に田舎に帰る奉公人に雇い主が「心づけ」を包んで渡していましたから、こうしてみると、国は違えど、人々は同じような習慣を持っているのですね。

現在の英国の大晦日は「End of Year Party」などパーティをする若者も多くなりましたが、昔は日本の大晦日を知っている日本人にとってはクリスマスの騒ぎの後の静けさとの落差とテムズ川に停泊中の船が0時に一斉に鳴らす汽笛の音が留学生にはこと寂しく聞こえたものです。新年も何も起こらない!やはりお正月は日本でしょうか・・・日本を離れていると懐かしく思う瞬間です。

今年も残り少なくなりました。渡邊オフィスの留学生も全員が無事帰国し、家族との久々の逢瀬を喜び、待っていましたとばかり親御さんが用意した盛り沢山のイベントを楽しんでいます。休みに十分な英気を養い、2015年も元気にそして意欲的な一年であることを願っています。

渡邊