景観を守る

景観を守る

最近通学中の小学生のグループに車やトラックが突っ込むような悲しい事件が多く見られ、同じ小さい子供を持つ親としても他人事とは思えません。政府は運転手に対する安全強化と共に、全国の通学路にガードレールを設置する案を具体化していくそうです。

この学校の周り中ガードレールだらけになりそうななんとも非現実的なプランは別として、そもそも日本の「標識・看板社会」は時に美しい日本の景観を台無しにします。100歩譲って安全面を重視したガードレールはよしとしても、多くの町中では様々な色や形の看板が競いあうように並び、道路から見えるお店のデザインや色に統一感はあまりありません。

その点イギリスでは「景観」に関するルールは厳しく、建物一つとってもその色から形、時にはデザイン等も厳しく管理されています。それは都心だけでなく、田舎でも同じです。よくイギリスの田舎町が美しいといわれる一番の理由は「統一感」です。田舎の主役はなんといっても「緑」。それを邪魔するものは許されず、よって道路の標識でさえも濃いめの黄色や黒等、安全面は考慮されつつ緑を引き立たせるデザインが施されています。特にすばらしいのが「緑の壁」=生垣(hedge)です。果てしなく続くイギリスの田舎道にはガードレールやコンクリートの壁はほとんどなく、2~3mほどの生垣で仕切られており、運転しているとたまに巨大な迷路に迷い込んだ気持ちにもなります。

最近は日本でも観光地等ではお店の看板の色を統一することで(某コンビニの看板もすべて茶色くなっていたりしますね)その町の雰囲気を重んじる傾向が見られます。以前、日本に遊びに来たイギリス人の友達に、日本のネオンやガチャガチャした町の雰囲気がイギリスのモノトーンな雰囲気と比べて面白いと言われたことがありますが、私個人としてはイギリスの「シック」な色使いを日本にはもっと見習ってほしいと思います。

鐵屋