歴史的建造物

歴史的建造物

ディズニーの映画「101匹わんちゃん」の悪役として有名なクルエラ・ド・ヴィルの若き頃を描いた実写版映画「クルエラ」を先週末に鑑賞しました。そもそも「101匹わんちゃん」はロンドンを舞台に描かれたものであることもあり、「クルエラ」の撮影地ももちろんロンドン市内、イギリス国内が多く馴染みのある景色に親近感を感じます。

その中で、この映画で主人公クルエラの次に大切なキャラクターとして“デザイナーをしている男爵夫人”(バロネス)が出てきます。男爵夫人らしく、Hellman Hallというセカンドハウスをお持ちで、パーティーシーンなど重要な局面で出てきます。なかなか素敵な邸宅だったので、調べてみたところ、劇中ではサフォークにある設定ですが、実際に撮影されたのはロンドンの西にあるバークシャーに実在している“Englefield House”というカントリーハウスでした。今からおよそ600年以上前に建てられたお宅で、“Listed Buildings of United Kingdom” の中で、“Grade II*”の建物だそうです。

…さて、Listed Buildings of United Kingdomとはなんでしょう? 結論としては、日本でいうところの国の指定する重要文化財、のようなものです。第二次世界大戦で重要な建造物が多く破壊されてしまった教訓を生かし、歴史的な建造物を守るためにリストされたもので、Grade I、II*、IIという3段階があります。Grade Iはバッキンガム宮殿、ウエストミンスター寺院、タワーブリッジ等々、、、さすがイギリス!誰もが知る建造物が並びます。ここで私が驚いたのはこの、Listed Buildingsに登録されている建造物の数です。Grade I、II*、II合わせて、その数なんと約374,000件以上。イングランドの全建物の2%にもなるのだとか。日本の国宝・重要文化財(建造物)はおよそ2400件超、それを考えると比べものにならない量です。日本の歴史もかなり長いはずですが、やはり地震や天災が多いので古い建造物はどうしても残すことが難しい…としても、イギリスの登録数はかなりの数ですね。

ちなみに紆余曲折あって…Hellman Hallは、最終的にバロネスからクルエラのものになるのですが…その時にこの邸宅の名称が変わります。なかなか考えられていて感心しました…その答えはぜひ映画でお楽しみください!

後藤