激しくも優しいガーデニング

激しくも優しいガーデニング

ガーデニングと言えばなにかと名前の挙がるイギリス。庭園のスタイルとして筆頭に挙がる「イングリッシュガーデン」や、世界中の園芸家が憧れる「チェルシーフラワーショー」も聞いたことがある方は多いかと思います。

イギリス人の植物好きは歴史が深く、先日のヴィクトリア女王に関してのブログでも少しふれましたが、19世紀のイギリスでは珍しい植物を飼育することが富裕層のトレンドだったため、なんと当時は「プラントハンター」と言われるスパイが日本を含むアジア地域へ潜入し、イギリスにない植物の種や苗を密輸したそうです!

そんなガーデニングに関して最先端を行くイギリスで現在話題なのが、その名も「ゲリラガーデニング」。イギリスでは道路脇等の公共の至る場にちょっとした植え込みや花壇がよく見られますが、その多くは手入れがされておらず、放置されることも。それらを有志が集まり、一晩のうちに美しい花畑に変えてしまうのがゲリラガーデニング。もちろん国有地に許可もなく、勝手に草花を植えることは違法な行為なのですが、町の人々はもちろん、警察関係者も目をつむるどころか歓迎モードだそうです。

野蛮なネーミングとは裏腹に、人々の心をそっと温めてくれるこの活動は、若者が中心となって行われているそうです。ゲリラガーデニングに限らず、花屋で廃棄されてしまった花を寄付で集めて安価で販売する「フラワーロス」防止の活動や、公園やバス停のベンチ等に美しい花束と共に「自由に持っていってください」というメッセージが添えられ、見つけた人にプレゼントされるという「フラワーボム」という粋なことをする団体もあるとか。ただのボランティアでは終わらせない、この粋な演出ができるのがイギリスの魅力の一つですね!

鐵屋