物価上昇狂騒曲

物価上昇狂騒曲

世界各国で物価上昇の波が押し寄せています。日本でも最近食料品の値上げが顕著で、実感もあるところですが、もちろんイギリスも物価上昇中。一般消費者が体感する物価の上昇率を示す「CPI」という統計指標で日英を比較してみると、日本の物価上昇率は昨年対比で3%程度なのに対してイギリスはなんと11%!

家賃から光熱費から食料から何から何までかかる生活費が1年で11%上昇するというのがどれくらい異常かというと、それが6~7年続くと生活費が倍になるという世界観です。ちなみに、72の法則、という簡易的な計算方法があって、たとえば物価がXパーセントずつ上昇していくとすると、おおよそ72÷X=〇年で物価が倍になるというような便利な計算方法があります!

さて、日本・イギリスの差は何があるのか?最も顕著であるのは電気代であると考えます。電気の発電元として4割近いシェアを持つ天然ガスについて、ロシア依存度が高かったイギリスと、偶然?地域が分散されていた日本とで、調達先に大きな差があり、それがそのまま電気料金に反映されてしまいました。実際、ロシア・ウクライナ紛争が始まった昨年秋から冬にかけて、電力料金を上げきれなかった電力の小売り業者が多く倒産してしまうというような事態に陥っています。(電力小売業者が倒産したたけで、電力供給自体は大手会社を経由して安定的に行われています!ご安心ください!)

イギリスのボーディングスクールは膨大な敷地の中に、実験室、スポーツ施設、3Dプリンター等、最新の施設や機械をたくさん所持しています。さらに、施設や機械を正しく使いこなし指導出来る人材(=先生・スタッフ等)はもちろん、電気をたくさん使う施設は光熱費もかかります。そう考えると、学費の値上げも頷けますね。

クリスマスの煌びやかな飾りを控え、昔ながらの暖炉に火を灯し使う電気を出来るだけカットしながら、ロシア・ウクライナ紛争が落ち着き物価上昇が留まることを祈りたいと思います。

後藤