留学いろいろ

留学いろいろ

「留学」と言う言葉の幅も随分広くなったものです。海外へ行って勉強すれば「留学」ということでしょうけれど、一体何を勉強するのでしょう。大人の大学レベルや語学研修となると、行った先のコースは日本人ばかり、日本人の友達を作り、アパートで日本食を日々作って食べ、ほとんどイギリスとの接点はないのに一応イギリスに滞在。最近こんな形の留学は珍しくありません。最低でもホームステイをすれば、ある程度イギリスの生活が分かるのですが、それとて「他人の家では気を使うし・・大変~」と及び腰。これでは、イギリスの生活はおろか、本当の英語も学べません。滞英1年のある人にイギリスの何が美味しかったかと聞いたら答えは「ポテトチップス」。いやいや、イギリス人はポテトチップスとは絶対に言いません。Crispsと言えない人の英語の程度はしれています! 「楽しい」と「楽」は違います。楽しさからは多くのことを学びますが、楽して得るものはあまりないはず。

自分の国の安全な環境に暮らしながら、「国際間の比較文化」の勉強もいかがなものでしょう。まずは違う文化の水に浸かってみて初めて「えっ、そうなの?日本と全然違う!」という叫びの100個くらいを体験しなければ、比較文化など語れないと思うのですが。だれしもヌクヌク自分の城に籠もっているほうが楽ではありますが、留学までそうなってしまっては、まったく価値がない。「違う」ということを経験することこそ、「皆と同じが安心」の日本人にはとても大切です。日本は日常の物事がほとんどスムースに運ぶ国なので、それを当たり前と思ってしまいますが、外国に出ると、笑っちゃうほど問題が起きます。絶え間ないチャレンジ、ちょっとした障害物競走ですね。エイリアンにでもなったつもりで挑戦しているうちに「私って結構できるヤツ!」と自信がつくこと請け合いです!

短期のサマーコースに行く子供達にも私は、「英語の勉強よりも、<空気><時間の経ち方><周りの人々の行動>といった違いをしっかり感じてくるように」とのアドバイスをします。 またまた辛口のコメントになってしまいましたね!

渡邊和子