自分の方法

自分の方法

毎夏、帰国と同時に学年末の成績表が発行されます。1年の成果を苦労の甲斐があったと喜ぶ者と「ヤバイ」と思う者とが分かれます。後者の場合、それでも本人がそう思ってくれればいいのですが、本人はまったく気にせずに親ばかりが「困る」というのは本当に困ります!

何しろ英国のBoarding schoolでは「塾に通う」という発想がありません。当たり前のことながら、勉強は学校でするもの、そして「自分」でするものですが、長年日本では「塾」が当たり前、つまり誰かに頼って勉強することが普通になっているので、まずは「困った人」の発想が「誰かに頼ろう」という図式になってしまうようです。留学は「塾がないから勉強出来ない」という考えを変える良い機会と言えます。

私は常に「学生時代」は、「良い点」を取ることに終始するのではなく、「良い点を取るための方法を自分で探す」時期だと学生に話しています。方法は人それぞれ違います。天才は天才のやり方、凡才は凡才のやり方があるはずです。自分がウサギなのか亀なのかを見極めながら、「自分の方法」を探すことが大切で、他人の方法を真似てみたところであまり上手くは行きません。

一番はっきりしているのは、「学生」が終わり社会に出ると塾はなくなり、みんな自分で方法を考えなければならないことです。その時までに失敗してもいいから、自分の方法を見つけることが大切ですね。

もう一つ、勉強が上手く捗らない人の常套句は「先生に聞きたいけど、先生が忙しくて捕まらない」。ある努力家で優秀、絶えず分からないところを先生に聞くのを得意としている生徒に方法を聞いてみたことがあります。答えは「必ず先生とアポを取る」でした!そうです、どんなに忙しい先生でも「忙しいから1週間はダメ」という人はまずいませんね。素晴らしい彼女独自の発想です。留学初期は誰でも言葉が分からずに悩みます。そういう困った時こそ、知恵を働かせる。これこそが、社会に出て有効なスキルと言えるでしょう。

渡邊