英国最大のガーデンスポーツ

英国最大のガーデンスポーツ

日曜日に決勝戦を終えたばかりのウィンブルドン。

毎年本戦期間中は50万人近くでごった返す場所ですが、おそらく今頃はひっそりと、庭師が数名、剥げかけたコートを1年かけて元の美しい緑の絨毯に戻す作業がゆっくりと始まっているはずです。

 

ウィンブルドンはただのテニス大会ではありません。最大のコンセプトは「英国庭園で行われるスポーツ」。なぜそう言われるかわかりますか?

数年前に念願叶って試合を見に行く事ができましたが、その時はそれを身を持って感じました。

 

まずは会場の華やかさ。至る所に花があり、まるでガーデンショーに来たような気分になります。もともと「花を愛でながらスポーツを楽しむ」ことが根底にあるため、この環境は試合以上に重要視されています。ロンドン五輪の時も同じ会場が使われましたが、オリンピック協会が費用面を苦慮してすべての

花類の使用を見合わせたため、その時のウィンブルドンは全く別の場所に見えました。

 

しかしコート内は一転、とてもシンプルなところが印象的です。選手のウェアが真っ白でなければいけないルールは有名ですが、どんなスポーツの試合でも見られる広告類が全くないことに驚かされます。格式を重視するウィンブルドンはスポンサーを持ちません。そもそも13日間の本戦期間中だけで数十億円の利益を出すこの高貴な大会はスポンサーを必要としないのです。唯一のスポンサーで広告を出す事を許されているのは試合時間を示す時計を提供しているRolex社と1900年代から契約が続いているSlazenger社のみです。

 

古き良きイギリスのこだわりが凝縮されたこの一年に一度の大会、また来年が楽しみでなりません。

 

鐵屋