試験のリマーク

試験のリマーク

イギリスは今まさにGCSE、Aレベルの全国統一検定試験の時期。そんな中、一部のGCSE英文学の試験で出題ミスがあったというニュースが飛び込んできました。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に関する問題文が実際のキャラクター設定と矛盾して回答不能になっていたそうで、インターネット上で多くの学生や教師から批判があがっています。日本のセンター試験でも例年出題や試験監督のミスはニュースになりますが、大抵はトラブルがあった設問を全員正解とみなすなど、大学の合否に影響が出ない必要最低限の対策が取られた事が淡々と報道されています。しかしイギリスの検定試験の成績は一生ついてまわるもの。出題者である試験委員会に対しては受験生たちが不利益をこうむらないように最大限の配慮を求める論調が強く、今から「リマーク」の要望には柔軟に応えるようにという声もあります。

この「リマーク」は検定試験の結果が出たあとに再採点を求められるシステムで、いわば評価に対する異議申し立てです。マークシート式試験と違い、イギリスの検定試験は多くの回答が記述式で採点は人の手によって行われるので、見直しの余地が出てくる場合もあるのです。

しかし注意が必要なのは、「リマーク」は評価が上がる場合ばかりではなく逆に下がる事もあります。さらに申し込みは有料です。また近年は試験結果に不満のない生徒でも評価が上がる可能性にかけてとりあえず「リマーク」を申し込むケースが後を絶たず、試験委員会でも熟慮してからの申し込みを呼びかけています。

さて、今回のように試験委員会のミスの場合はどのような対応になるのでしょうか。今後のニュースに注目です。

 

長須