誕生日の思い出

誕生日の思い出

個人的な話ですが、来月はわたしの誕生日です。

今でこそあまり喜べない日になってきましたが(笑)、これまで一番楽しかった誕生日は、ボーディングスクールで過ごした一日でした。

当時私は学年の中でも一番年上で、英語も勉強も一番出来ない上に最初にみんなより年上になることに少し劣等感を感じていました。

誕生日当日、朝いきなり「Happy Birthday!!!」の大声で起こされたと同時に、友達にサプライズがあるからと外に連れ出されました。玄関前に発見したのは。。。ボロボロの車いすがひとつ。ぽかん、としていると、「今日はあなたが学年で一番「おばあちゃん」だからすべてのところにこの車いすで連れて行ってあげる!」と、なんと食堂からすべての授業の教室まで、その日はずっと友達が車いすでわたしを連れ回してくれたのです。

保健室の隅にあった壊れかけの車いすだったので、その乗り心地の悪さといつ車輪が外れるかの恐怖感は今でも忘れません(笑) しかしみんなで大笑いした楽しい時間と、この何にも代えがたい気持ちのこもった温かなプレゼントは本当に一生の思い出です。

毎年沢山の留学生から、日本にいた時よりボーディングスクールでは誕生日を盛大に祝ってもらったという話を聞きます。誕生日は高価なものやおいしいケーキを贈るのではなく、その日一日がその人にとって最高に幸せな日になるようにする、そんなイギリス式の考え方が私は大好きです。

 

鐵屋