間近なもの

間近なもの

それはイギリスへの出張。毎年ほぼ春から初夏にかけてのシーズンにたいてい現地に飛びます。一番の目的は春に出発したばかりの新規留学生たちが9月にボーディング・スクールに入学する前に「慣らし」生活をしている研修先で元気にしているか、チェックをしに行くことです。これに加え、もちろんボーディング・スクールもいくつか視察をして回ります。実は、渡邊オフィスの留学生の行くボーディング・スクールは必ず代表の渡邊と私の間で訪問をしておくという暗黙のルールがあります。二人の間で視察したボーディング・スクールの数は有に100は超えるでしょう。

新規留学生の学校選びをする時、やはり重要になるのが「その学校を視察したことがあるかどうか」です。もちろん、学校に関する情報はネット上で学校が公開しているものだけでもかなり入手できますし、渡邊オフィスの在校生がいれば一番確かです。しかし、最終的にはその学校に対する「イメージ」という、ファクターでもなんでもないファジィな部分が決め手になることも多いんですね、ここだけの話。(笑) 受付の応対、廊下ですれ違う生徒の表情、ダイニングのスタッフの小奇麗さ、寮を案内する先生が各生徒のベッドの位置を把握しているか、校長や先生との会話など意外にささいなことからも学校のイメージって出来てゆくものです。渡邊と私が共通で訪れたことのある学校ばかりではないので、お互いが学校のイメージを伝え合う作業も念入りに行います。不思議なもので、二人とも一定量を見た経験があるので伝え方がどんどん巧み・・というかオタクになってきます。「ここの寮はA校のβ寮とリラックス感が似てる。寮長はB校のγ寮の前任者っぽい」とか、「ここの食事はこれまで見たベスト3を凌ぐ。バラエティが半端じゃない。ケータリングスタッフをかなり吟味しているらしい」などと、幸い的確に伝える材料には事欠きません。まぁ、これだけの雑データはなかなかコンピューター管理とはいきませんので、できるだけ他のスタッフに喋ってイメージが形づくられていくように努めてもいます。

さて、たいていの学校では訪問の際、歓待してくださった上で去り際には「またいつでもいらしてください。大歓迎ですよ」くらいのことは仰ってくださいます。たったの1時間半の訪問のためにロンドンから1泊2日かけて行った時などは、「簡単に言うなっ」・・・と心の中で呟くのですが。さて、今年は踏破の記録がいくつ伸びるでしょうか。しかしまずは噴火がこれ以上活発にならないことを祈りましょうか・・・

山岸いつみ