食に対する意識

食に対する意識

キヌア、ビーポーレン、カムカム、ゴジベリー、チアシード、スピルリナ・・・。いつも食べているわという方から、どこかの部族の言語ですかと言う方まで様々だと思われますが、これらはスーパーフードと呼ばれる一般的な食品より栄養価が高く、“意識高い系”の食品たちです。日本ではまだ専門店にしか売っていませんが、イギリスではごく一般的なスーパーで取り扱いがある品々です。オリンピックの影響やアメリカからのトレンドに引っ張られ健康志向になったイギリス。さぞかし健康体質が広まっていると思いきや、実際にはまだまだ生活習慣病の発症率が下がる傾向にはありません。

 

そんな中、以前のブログで取り上げた「加糖税」がいよいよ来月イギリスで導入されます。2024年までにカロリー摂取の20%カットを目標とするイギリス政府の取り組みです。砂糖含有量が100ミリリットルあたり5グラムを超える飲料に対する課税です。砂糖を添加していないフルーツジュースは対象外とのこと。高カロリー食品の摂取を根本から抑制する対策として、このタイミングで食品メーカーや、スーパーマーケット、ファストフード店などの小売店を対象とし、より健康な食材や調理法を用い、消費者が低カロリー食品を好んで選択したがる購買戦略を立てるよう強く要求する法律を制定しました。国が監視し、協力していない会社がいた場合、会社名を公表するというので国の真剣さが伝わってきます。国の医療機関の負担がそれほど巨大ということなのでしょう。

 

ボーディングスクールのメニューをご覧になったことはあるでしょうか?最近になって「今週の献立」が送られてくる頻度が増えました。20年前に初めて食べた寮の食事はカリフラワーチーズ(カリフラワーにチーズソースをかけて焼いたもの)とトーストのみと、とてもシンプルだったことを鮮明に覚えていますが、その時代はそれが普通。食に関しては、贅沢をせずルールとマナーを守る、というのが目的だったのでしょう。今となってはほとんどの学校が専属栄養士を雇い、カフェテリア式に変更され、毎食サラダバー、スープ、フレッシュフルーツが自由におかわりできます。自由を与えながら、バランスの良い食事を自ら学ぶ、という食育を大切にする傾向にあるようです。現役生たちが大学に進学すると、何を食べるかも、食べる時間も自由になります。タバコもお酒も自由に買うことができるようになります。イギリスが国策として健康志向を推奨しているのは素晴らしいことで、留学生たちもボーディングスクールでしっかり生活習慣を身に付け、それを失わないよう、意識を持って生活していってほしいですね。

 

矢部