9月の嵐

9月の嵐

日本の皆さんにとって、9月は学校や会社の一年間の中でさほど重要視する月ではないと思います。夏休みが終わった、残暑はいつまで続くのか、など夏を引きずる月ではないでしょうか。しかし、イギリスの留学生にとって、9月はとても重要な月です。学年度の始まりであり、新入生・転校生のみならず、在校生にも多々変化が起こる月です。まさに毎日が嵐です。

新しいことに戸惑い、今まで出来ていたことが急に難しくなり、一生懸命では足りず、「あれ、ちょっと待って!先週はそんなこと(言わ)なかったよね!?」と愕然し、プライドを些細なことで砕かれ、親の的確なアドバイスを「でも違うの!」と叩き落し、一時の愚痴で親をパニックに陥れてみたり、上手く行かない日は天候までをも逆恨みしてみたり・・・と毎日たくさんのことが起こり、翻弄させられます。

しかし、嵐は必ず止みます。振り返れば、「いや、結構なんとかなっちゃうもんだよ」とほっとする日がきます。その時は余裕がなくてわからなかった、先輩や同級生のありがたみを実感し、取りこぼしていたであろう楽しみを満喫できます。「恥ずかしいなんてもんじゃないの、死んじゃう!無理!」と思ったほどの間違いのおかげで、とにかくチャレンジすれば何かを得られ、今まで培ってきたことはそうそう簡単に砕け散ったりはしないことを知ります。これは私が留学していて実際に経験したことです。9月の嵐を超えると、自分がいる世界が本当に変わってゆくのです。

さて、そんなイギリスの留学生の気持ちを思い出すような日々を、この9月、渡邊オフィス・新人スタッフとなった私は再び、経験しております。「いや、結構なんとかなっちゃうもんだよ」と言える場所に辿りつけると信じ、毎日お仕事をさせてもらっています。

そんな9月がやっと終わり、10月は・・・残念、10月も嵐は続きます。慣れてきたと思う時こそ注意が必要、まだまだ出会う新しい人や出来事にどきどきする毎日です。(笑)留学生の皆さんをサポートし、ケアをすると同時に、私にとっては同志を応援することも出来るこの職場にて、皆さんのお役に立てるよう、精一杯頑張ります。

鈴木元子