Queenの存在 ~Victoria編~

Queenの存在 ~Victoria編~

チャールズ国王が即位し、5月には戴冠式も控えるイギリスは昨年に引き続き今年も王室の話題が尽きない年になりそうです(ハリーの回顧録は少々余計な気もしますが…)。

これまで様々な国王、女王がイギリスを統治してきた中、彼ら/彼女らに敬意を表してつけられた名称のものが実はイギリスだけでなく、世界中に多く存在します。調べてみるとなぜかそれらの多くは女王の名前からとられたもので、「女王」という特別な存在を改めて考えさせられます。今回はその中でも「ヴィクトリア女王」の名にちなんだ身近なものをご紹介します。

・Queen Victoria Street、Queen Victoria Square、Victoria Station…

建物、通り、場所等、イギリスを歩けば必ずと言ってよいほど「Victoria」とつくものを目にする機会は多く、あまりの日常に改めて気付く人は少ないかと思います。建物に関しては「ヴィクトリア様式」と言われる19世紀半ばから後半にかけての建築の様式にその名がついており、今も多くの建築物を身近に見ることができます。

・Victoria Sponge

1840年代にベーキングパウダーが誕生したことにより、今までの重いパウンドケーキから軽いスポンジケーキが流行りに。ヴィクトリア女王はそのスポンジの間にジャムを塗って上から粉砂糖をかけたものがお気に入りだったとか。これは日本で言うショートケーキのようなまさにイギリスのケーキの代名詞と言えます。

・Victoria Amazonica

聞きなれない言葉かもしれませんが、「オオオニバス」というと聞いたことがある人もいるのでは?オオオニバスは直径2m以上になる巨大な浮水葉を水面に浮かべる睡蓮で、アマゾン川流域に生息する植物ですが、当時珍しい植物を飼育することが富裕層のトレンドだったヴィクトリア朝時代では、国中の園芸家が競うようにその種子を手に入れようとしたそうです。国内で初めて開花した記念の睡蓮がヴィクトリア女王に送られたことから、今もこの睡蓮には彼女の名が刻まれています。

Victoria‘s Secretはアメリカの下着メーカーですが、名前の由来はヴィクトリア女王なのだとか。200年経った今もなおヴィクトリアという名前が持つ「気品」と「優雅」さは人気のようです。

鐵屋