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Boris Johnson

15th Jul 2016

前ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏といえば、テディベアのような体格で、羽のように柔らかそうな金銀に光る頭髪を無鉄砲に掻き上げる姿が有名ですね。留学生の皆さんも、一度はボリス特有の口調を真似たことがあるのではないでしょうか。今となっては、ドナルド・トランプ氏のイギリス人版などと滑稽に表現されていますが、総合的には大成功を収めたロンドンオリンピック開催期間中は、「英国」の英雄、いや国宝として称賛されていた人物でした。

彼は、プレップスクールはAshdown House ⇒シニアスクールはEton(キングス・スカラーとして入学、ヘッド・ボーイおよび校内新聞の編集長を務める)⇒大学はOxford(The Oxford Unionのプレジデントを務める)、と学生時代は脚光を独り占めにしてきました。が、彼にとってこれらの実績は幼少時からの野望に繋がる通過点でしかなかったようです。その野望というのは・・・「World King = 世界を制する王」!ジョークではありません。やがてOxfordでも専攻するほど古代ギリシャやラテン語に魅了されていた少年にとって、World Kingはれっきとした職業だったわけです。でもありきたりにこつこつとトップにたどり着く性格を持たないボリス。学生時代に学んだのは、何でも出来るように振る舞うよりも、解っているのに解らない振りをし、表では好かれ裏で主権を握るほうが、多くの支持を得られるということ。

政治の道に足を踏み入れる前に、ジャーナリストとしてイギリスの新聞社を転々としていました。その頃(80年代後半)から欧州懐疑主義を紙面で明言し、歴史を多く取り入れた、彩り豊かな表現で固いファンを集めてきたボリス。親友の詐欺事件関与、不倫など不祥事も多く報じられた中、チャームと野心がどういう訳か功を奏し、何が起こってもなぜか憎めないキャラクターを構築してきました。イギリスで唯一「Feel-good Politician = 人を良い気分にさせる政治家」と呼ばれた人物。今回のBrexitの結果を経ても、全て彼の計画のうちなのでは、と思ってしまう人も少なくないでしょう!彼にとっては、今回の件で世界中に彼の名と顔が行き渡ったことは、相当なプラスと奥底で捉えているかもしれません。まだまだ見通しがつかない英国の情勢ですが、どこかのタイミングでボリスの復活が報じられるのはイギリスにとって避けられない運命なのかもしれません。