Common Entrance 2021

Common Entrance 2021

昨年はコロナで自宅での試験実施でてんやわんやのCommon Entrance (シニアスクール共通入試:以下CE)でしたが、今年は無事に、例年通り学校での受験となりました。

結果を見ると、ひと昔前とは異なり、まず受けている科目のバラエティがすごい!ほとんどの生徒が留学生には厳しいと言われるフランス語を受けており、ラテン語まで挑戦している生徒らもいます。ということは、一部の外国語を除いてはほぼすべてのCE科目を網羅したということです。たとえば20年前頃は、プレップ留学期間1年、2年という生徒も多く、受けられる科目は英語、数学、理科がせいぜいでした。「こんなに受験科目数が少なくて進学できるんですか?」と心配なお声を親御さんからいただいたほどです。それが留学開始年齢が低くなり、プレップで4年、5年を過ごすと、たいていはイギリス人と互角に戦える学力がついてきます。

しかし、単に留学年数に比例しているのではなく、中にはプレップ留学2年でフランス語や歴史まで受験できた頑張り屋さんも。イギリスの学校は「この子には無理だからこの科目の履修は免除」と決めても、生徒から強い希望ややる気が示されれば柔軟に対応してくれます。この生徒の場合も入学してしばらくはまだ英語がおぼつかないからと歴史は受けさせてもらえませんでしたが、本人のたっての希望で途中参入。遅れていた何年もの分量を自習でこなした結果です。意欲がすべてを克服することを体現してくれた一例です。

もう一つ特筆すべき点があります。今年の生徒達の半数が先行して行われるアカデミック奨学金試験を受けていたため、CE受験は免除、あるいは、受けても力試しとしての形式的な受験になりました。それ以外の生徒たちも、実はPre-test(CEより前に実施される審査)で無条件合格をいただいていたため、CEは形だけの受験となっていました。ですから、渡邊オフィス始まって以来初めてCE結果が合否に関わる生徒が皆無、という年でした。最近のシニアスクールの受験プロセスの動向を見ると今後このようなケースが増えていくと予測しています。

CE結果発表は6月の渡邊オフィスの風物詩で、担当する私もこの時期には絶対に休めないと意気込んで迎えたものでした。淋しい気もしますが、時代の流れには逆らえず、10年後にCEが存在しているのかどうか、興味深く見守りたいと思います。

山岸