Health Conscious

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あと2ヶ月ちょっとでリオデジャネイロオリンピックが始まります。ロンドンオリンピックから既に4年も経ったかと思うと時の流れを不気味に感じてしまいます。思い起こすと、開催前のロンドン住民はオリンピックによる混雑やセキュリティーをめぐる懸念から、自分たちのライフスタイルに乱れが生じることをとても嫌がり、口癖は「期間中はロンドンにいたくない!早く海外のビーチホリデイを予約しなきゃ」とか、「通勤路を変えようか迷っている」、などと消極的な言葉が飛び交っていたように感じます。

それが、いざとなってみると、エリザベス2世の戴冠60年祭と時期が重なったことも影響したのか、いつもは温存している愛国心が溢れだし、ところ構わずユニオンジャックの旗と商品がまん延しました。時流に染まりたくない意識が強い中、どこかで自国が一番だと信じているイギリス国民らしい現象です。多文化が共存する国をひとつにし、国に対する誇りを久しぶりに共有できたようです。また、オリンピックの前後に渡英して気付いたのが、あからさまにスポーツやボランティアに関心を持つ人が増え、それと共に食生活に対する意識が驚くほど高まっていたことです。古くから食事を燃料補給のようにとらえてきたイギリス人なので、短期間でよくもここまで!というほどの変わりようでした。さぞやボーディングスクールの食事も健康志向かつ美味しくなっているのでしょう。

最近のニュースでこんな記事を読みました。実はイギリスはアメリカに匹敵する肥満大国で、2~15歳の児童肥満率は31%(2014年度)。根本から問題に挑むため、児童が日常的に特に好んで飲む糖分が非常に高い炭酸飲料が課税対象に決定しました。年間で約£5億2000万(約840臆円)の税収が期待できるそうで、小学校の運動エリアの整備に当てられるとのことです。この動きはオリンピックを経て健康意識が向上した一般市民が発足したもので、数年をかけて実現が決まりました。東京オリンピックでもこういった動きが見られることを期待したいです。

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