How old are you?

How old are you?

英国での長い生活を経て日本に戻った時に、昔はまったく意外でなかったことが意外に思える日本の習慣がいくつかあると思います。その一つに日本の年齢へのこだわりです。How old are you? これは英語を学ぶ初期に誰もが習うのですが、実は使わない!私も英国に15歳で留学して以来、聞かれたことはありませんし、従って自分も使ったことはありません。それ位、英国にいると誰も年齢を気にしないだけでなく、これ自体がかなり失礼な質問にもなります。この感覚に慣れると、日本の年齢へのこだわりが奇妙に思われるのです。渡邊オフィスの学生は留学開始年齢が高くなるほど、日英の教育制度の違いから、英国では1年落とした学年に入学することが多くなりますが、その「落とす」ことにすごく抵抗を持つ人がいます。この年になった私にでさえ、他人から学年が同じとか違うとか言われ、かなり当惑することがありますから、このこだわり感にはびっくりです。

そういえば、日本は、「浪人」とか「新卒入社」とかの学年を意識した言葉が結構ありますね。その影には、しっかり周りと足並みそろえて階段を上がらないことは「損である」とか、「恥じである」というマイナス認識が強いし、社会のシステムもそうなっています。それは、たぶん入社何年目なのに課長になるとか、ならないとかに続いていくのでしょう。考えてみれば、かなりキツイ社会です。まあ、結婚適齢だけは少し変わったようですが!対する英国は、人間は十人十色で世の中に亀もウサギもついでに蟻もキリギリスもいるのが当たり前という態度です。いつ、何歳で大学に行こうと本人の勝手で違和感なし。Gap Yearという高校と大学の間にあえて1年間時間を取って社会経験をする大学生が30%もいるのですから、「学年」はおろか大学生の年齢は様々で、誰も話題にしません。ちなみに「浪人」という英語の同義語はないと思います。日本もゆくゆくは「みんな同じ」という価値観の評価が変わっていくだろうと思う半面、国の習慣というものはその国民性からきているのでなかなか変わらないのでしょうから、はてどうなるのでしょう?

渡邊和子

イギリスの教育についてのお話や、ちょっとした豆知識を毎週ブログでご紹介してます