My Neighbour Totoro

My Neighbour Totoro

既にご存じの方も多いかもしれませんが、なんとスタジオジブリの名作『となりのトトロ』が、かのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで舞台化され、今年の10月から来年の1月にかけて上映される予定だそうです!ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(略称RSC)は1879年に起源を持ち、シェイクスピアの故郷であるストラトフォード・アポン・エイボンに本拠地を置く、世界に名だたる劇団です。ピーター・オトゥール、パトリック・スチュワート、デヴィッド・テナント、ヴィヴィアン・リー等、数々の名優たちもRSCに在籍していたことがあります。スタジオジブリの作品をはじめとした日本のアニメ作品は海外でも高い人気を博していることは認識として持っていたつもりでしたが、このニュースを目にした時は「まさかRSCが舞台化するまでとは…」と非常に驚きました。

日本に住んでいると、外国における日本作品の浸透度合いを意識する機会はあまりありませんが、思い返してみると、私がイギリスに留学中にも新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』が近所の映画館でも上映されていました。同じ寮のイタリア人留学生がキッチンで「機動戦士ガンダム」の主題歌を日本語で歌ってくれたこともあります。留学に行ったばかりの渡邊オフィスの留学生と話した際も、「こんなにも日本の作品や文化が受け入れられていると思わなかった」という感想を教えてくれたこともありました。

日本固有の表現、習慣、文化が描かれている作品は、異なる文化圏の人々からすると難解なものなのではないかと推測できます。その文化差があってもなお、日本作品が外国でも広く受け入れられる理由としては、その作品に誰でも理解・共感できる普遍性があるからではないでしょうか。冒頭で述べた『となりのトトロ』でも描かれている、子供ならではの想像力にあふれたみずみずしい世界観、主人公たちの成長過程や親や子を大切に想う気持ちは、国境を越えて人々の共感を呼ぶのだろうと考えられます。このことをヒントに、渡邊オフィスの留学生たちにも、イギリス人はじめ他の文化圏の人と話すときには、表面的な差ばかりに気を取られすぎることなく、「共感できること」を積極的に探して仲を深めていってほしいと思います。

小島