受験の季節
10th May 2019
日本の学校の新学期が4月に固定されたのは大正時代らしく、政府の会計年度に合わせたとされていますが、 桜が象徴的な日本において「桜咲くころの新学期」がもしかしたら晴れ晴れとした気持で新しい生活をスタートするという心情的に一番しっくりくる季節かもしれませんね。そうなると、逆算して日本の中高そして大学受験は雪で受験場に通う足元が心配される2月となり、受験の厳しさと天候の厳しさがマッチしてより「暗い」イメージを持ってしまう・・というのは考えすぎでしょうか。
学校の年度はその国の天候にもかなり左右され、南半球の国々では季節の良い1月~3月が新学期であることが多く、現在その他のほとんどの国は9月新学期が基準となっています。日本の4月というのは珍しいと言えるでしょう。 やはり「桜」なんでしょうか(笑)
イギリスの新学期は9月ですから、「受験」は5月、6月(夏学期)に行われます。新緑が美しい一年間で最も過ごしやすい季節です。この季節感も手伝ってか、イギリスの「受験」はあまり暗く語られることはありません。もちろん受験者はそれなりのプレッシャーを感じますが、受験直前の春休みでも日本のように「すべてを投げ打って受験勉強をしろ」という語りはどこにもなく、あえて日々の規則正しい生活をするためにしっかりと計画を立てるよう学校も指導します。例えば一日4時間を学習にあて、あとは良く寝て、良く食べて、良く運動をして、良くリラックスする、休みを楽しむイベントも必要・・そして気分一転して休み明けに始まる試験に臨むように! これは決して気休めで言っているのではありません。集中力の効率を基に考え、心身ともにベストのコンディションで受験が出来るようにとの配慮です。そしてここまで頑張ってきた自分に対して胸を張れる結果を出すようにとの励ましの言葉が先学期(春学期)の成績表のコメントに必ず添えてありました。
受験後に来る長い夏休みを楽しみにみんな頑張ることでしょう。
渡邊