夏は大学受験シーズン
26th May 2017
英国のこれからのシーズンはほどよい暑さと湿気の低さで、一年で一番気持ちの良い季節です。ですからこの時期に屋外のスポーツであるテニスやクリケット,野外コンサート等が盛んになります。ウインブルドンもこれから始まります。そしてもう一つの大きなイベント?は大学受験に通じる検定試験(A level)です。日本の大雪が降るので有名な2月の大学受験とは環境がまったく違い、太陽が現れるとすぐにでも屋外に出たがる英国人ならでは、学校の芝生の上でリラックスして受験勉強をしている学生の姿が一つの風物詩になっています。もちろん、この時期にはスポーツの試合も音楽祭もありますから、ただただ受験勉強に没頭するというのは英国式ではありません。スポーツで汗を流し、音楽でリラックスしてこそ勉強の集中力も高まると、バランスをとても大切にしています。
日本の受験スタイルが基本にあると、英国の受験の感覚は多くの方にとって理解不能なようです。そもそも日本の受験は人との競争。自分より高点を取った人が多ければ、どんなに頑張っても不合格になる可能性があるというのが当たり前の考えです。実は英国の受験は人との競争ではなく、自分磨きにあります。それは出願した大学から個人個人が別々の入学条件を与えられ、それを全うすれば合格だからです。例えば、「英検で1級を取得したら入学できる」というような条件が与えられるわけです。そうなれば、その1級を目指して自分が努力すればいいということですよね。これだけが理由ではないと思いますが、やはり英国の大学受験のムードはもっとリラックスしていて学生もお互いに教えあったり、助け合ったり、天気と同じに「暗い」イメージはまったくと言ってよいほどないのです。
試験は5月、6月。大学が始まるのは、9月中旬以降ですから、この試験が終わると無罪放免の長い夏休みが待っています。でも発表はなんと8月。忘れた頃に大事な発表があるのでGCSEの試験の時は結果の発表日を忘れているお気楽な生徒もいますが、さすが大学受験となると、発表の数日前に「落ちたらどうしよう~」と電話がかかります!ここが留学の一つの区切り目。今年もみんなが実力を出せますように。
渡邊