悩ましい英語学習
19th Aug 2016
数年前に友人が英語で質問したい事があると連絡してきました。初めての海外旅行でハワイに行くことになり、その心の準備のために高校卒業以来の英語学習に取り組んでいたそうです。軽い気持ちで引き受けたのですが、私は彼の質問に答える事ができませんでした。
その質問は、「a」は「ア」、「o」は「オ」と発音すると習った気がするけれど、なぜwalkとworkではこれが逆なのかというものです。全く想定外の質問でした。確かにウォークは「wo-ku」、ワークは「wa-ku」と、ローマ字と英語ではaとoが逆転していますが。。。そんなに深く考えなくても良い事に思えましたし、むしろビールの頼み方を練習した方がよっぽど有意義なはずです。そうやんわりと伝えたのですが、友人はどうしてもこの疑問がひっかかっている様子でした。
話は飛びますが、最近イギリスのサマースクールの授業を見学する機会がありました。私の友人もこういった授業を受けていたらもっと違う勉強の仕方ができたのかもしれません。例えば演劇の授業では二人一組で短い即興劇をするというもので、「ホテルにクレームを言う客」という設定と、フロントに見立てた机、小道具の旅行カバンだけが与えられ、あとは全て生徒の自由でした。イギリスのサマースクールは海外の学生向けなので、生徒は全員外国人。英語ももちろん完璧ではなく間違いもたくさんありましたが、ストーリーはほぼ全て伝わりました。部屋のお湯がでない、電気がつかない、虫が出る、シーツが汚い等、ありとあらゆるクレームをつける客に、平謝りのホテル支配人が最後に倒産危機である事を告白し、返金だけは勘弁してほしいと懇願するストーリーを演じた組や、部屋の設備がホームページと全く違うというクレームをつけたが、最後は客側が部屋番号を間違えていたというオチだった組。先生も文法などについては指摘せず「もっと怒っている事を伝えて」や「あまりクレームを言いすぎるとストーリーが進まないよ」などと、いかに話しを伝えるかのアドバイスに徹していました。この授業なら、walkとworkを間違えても文脈できっと通じたでしょう。当時、自信をもって友人にアドバイスができなかったのが残念です。
長須