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何に拘る?

27th May 2016

少し前になりますが、フランスのテロの報道を観ていて、こんな時も、またはこんな時だからこそ国民性の違いが浮き彫りになっているとつくづく思いました。簡単に言えば、「終わりよければすべてよし」という欧米思考と「そういう問題ではない・・とやり方に拘る」日本の考え方の違いです。日々英国を相手に仕事をしている人間としては珍しいことではないので、日々の小さな問題はさほど神経質にならずとも良いとも思いますが、このような大きな事件の場合にそれぞれが出す結論の違いに驚きます。どちらが良い悪いは時と場合によるとは思いますが、益々国際社会に対応していかなければならない日本はどうするのでしょう。

英語教育の必要性が益々盛んに叫ばれていますが、歴史的、国民性、文化の違いとあらゆることが違う国民の言葉を習うのですから、最低でもその文化と習慣も一緒に教えたらよいのではないでしょうか。そうでないと、いくら「言葉」だけ覚えても結局使えない、もっとひどく言えば、相互理解が得られない言葉の交流だけになってしまいます。特に日本は同一民族を長らくやっていますから、外との接点が非常に少ない。異論に耳を傾けたりすることにおいてまだまだ経験不足です。

渡邊オフィスでは、「暴力は絶対にダメ」と留学出発前に男子には必ず注意をします。「男ならやり返せ!」というやや昔風の言動がまだ残っている日本なので、念のためのアドバイスです。それに口が利けないと言い返せずについ手が出てしまうということもあるからで、留学の初期に時々起こる出来事です。では英語を話せるようになれば解消するのかと言えば、それはそれで今度は得意になって話していると、イギリスでは汚い言葉、相手を侮辱する発言をすると厳しく注意されます。困ったことに往々にして「悪い言葉」ほど先に覚えてしまうのですよね!普段小さなことにはこだわらないイギリスの学校も相手に対してのマナーには敏感です。こんな苦労もしながらの学校生活ですが、みんな見事に年々洗練されていく子供達を見ると、ここにもイギリスの教育の成果が出ていると思います。さて、日本の学校ではどんな拘りをもって臨んでいるのでしょうか?

 

渡邊