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どうして、点が取れないの・・・

4th Dec 2015

渡邊オフィスではお預かりしている生徒全員の成績表をスタッフ全員が目を通します。誰しも留学初期は英語力が足りずになかなか成績が上がりません。これは日々の努力の積み重ねで年月と共に解消していく問題ですが、もう一つ日本人の場合はほとんどの留学生にとって大きな壁があります。それは「掘り下げた」内容の答えが書けないと言う点です。例えば、「そこに何がいますか?」の答えに「ここにエイリアンがいます」と書いて終わることについて何ら疑問を持たないのです。イギリス人が答えると「ここに青い目をした、後ろ向きに歩くエーリアンがいる」ということになるのですが、みなさんこの違いが分かりますか?

昔、ある留学生が日英の差に関して大変面白い話をしてくれました。イギリスに行った当初、友達に「趣味は何?」と聞かれたので、「映画」と答えると、「どんな映画?」と聞かれる、「コメディ」と答えると、「どんなコメディ?」と聞かれる・・これが永遠続くことに驚いたということです。日本だったら、最初の質問でその会話はたいてい終わるのに・・でもこの方が相手に興味があるということを示せるし、相手も話易い。これが本物のコミュニケーションと言われるものの一つだと気が付いたとのことでした。

この2つの例から分かるように日本は日常の会話でもあっさりしていて、「なぜ?」がありません。試験でも『1語』の答えが普通で、そこに理由や無駄なことは書かないというのが主流のように思います。この感覚でイギリスで答案を書くと、すぐに「もっと詳しく書きなさい」と言われます。「詳しく」と言われても長年「1語」回答をしてきた身にとっては一体何を書けばよいか分からない。「答えは合っているのに点が取れない」と嘆く生徒の悩みはここにあります。

A=Bだと言われてただ納得するのではなく、なぜA=Bなのかに疑問を持ち、その理由を考える。イギリスで学問をする上で、避けては通れない道です。いわゆる「問題解決力」と言われるものは、このようにして育まれるのかもしれません。

 

渡邊