‘素敵’
20th Aug 2010
私達の仕事の醍醐味は?と聞かれたら、迷わず「一人の人間の成長を見守ることが出来、それを親や本人と一緒に喜べる」と答えます。学校の先生も同様だと思いますが、イギリス長期留学という大きな人生のステップを経た成長の効果たるや、簡単には語れないほど「ものすごく」仕事を超えた満足感があります。
30周年記念同窓会には懐かしいOB、OGそしてその父、母、祖母の顔が並びました。子連れ、伴侶を連れてきてくれた元留学生も。嬉しかった、嬉しかった、嬉しかったの連続。その中でも飛びっきりのエピソードを2つ。
留学当時に私と散々火花を散らした子は2児の母。現役の医者として活躍しながらも日本だけでなく海外でその力を発揮したいと意欲的。母親らしい姿が加わったものの、彼女の「勢い」は当時とまったく変わっていません。日々を有意義に過ごすことと、未知への挑戦は共存する・・そこからは「勝間的」な激しさではなく、もっとゆったりとした自分の人生を大切に生きているという爽やかなイギリス的とも言える空気を感じました。素敵。
小卒で行った留学中、勉強よりもたえず小遣いを稼ぐことに全力を傾けていた根っからの大阪っ子も今は素敵な奥様を得て、2児の父。財テクが趣味と実益を兼ねているというのは全然変わらないけれど、彼がこんなに教育パパだったとは意外。留学時代には気がつかなかったものの、どうやら自分の親にしてもらった教育の大切さが分かる年代になったのではないかと。明け方に終わった2次会の後、帰る私をタクシーが来るまで一緒に待ち、荷物を持ち、ドアを開けてくれた彼は、どっからどう見ても「関西のおっさん」(ゴメン!)なのに、まさにパブリックスクールボーイを絵に描いたようなスマートな振る舞い、それもすごく自然体。それに本当に優しい!やられました、泣かされました。これこそ昔とった杵柄なのでしょうか。奥様がほれ込んだのも無理はありません。素敵。
感激にどっぷり浸っているうちに夏休みも終わろうとしています。9月に初めてBoarding Schoolに入る子達にとってはここからが本番。この子達が大人になった時を楽しみに私達も新学期です。
渡邊和子