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秋入学に思う

13th Feb 2012

日本に生まれ、日本の教育制度の中で育つと教育制度が国によって大きく違うという感覚を持つという機会はまずないといえます。もしかしたら、「違う」ということがあり得るという発想にもいたらないでしょう。どこの国にも日本のように小学校が6年間、中学高校は3年間ずつ・・ではない?! 私どもから英国の制度の説明を受けて、びっくりする方がまだまだたくさんいらっしゃいます。「何しろ、まったく違う制度ですから、日本の制度とは比べないでください。」と前置きしてから約1時間。説明が終わったところで、「・・・ということは、日本の何年生ですか?」と聞かれ、がっくりすることが多々あります。(笑)

日本の基準=世界の基準ではないと理論的には分かっていても我々に長年の間でしみついた「常識」を取り去るのがいかに難しいかです。ガラパゴス化というのでしょうか、結構日本独自の基準って多いのですよね。国内だけの問題であれば、あえて他国と同じにする必要もない。「桜が咲いたら一年生」ではなくなってしまったら、とても寂しく感じます。枯葉とともに新学年が始まるなんてピンとこないですもの!しかし、ここまで国を越えて人々が行き来し、暮らし、教育をうけるというボーダーレスの時代になってしまうと、世界共通という利便性が先に立ってしまうのはいたしかたないのかもしれません。英語がその良い例です。多少不便でもいいと言えるだけの国力?があれば違うのでしょうか?

でも、「秋入学」にしたら、海外からどんどん学生が日本にくるのでしょうか?今の日本の学生が海外で勉強をしようと思うのでしょうか?そんな簡単なことではないと思います。制度が違っても魅力のある内容の大学だったら、是非日本で学びたいと思うでしょうし、海外で勉強をしたり、世界を相手に戦ってみようという意欲があれば、日本の学生もどんどん留学をするでしょう。日本は「形」を作るのは上手。しかし、外国にないものや外国に負けないものを沢山もっているのですから、是非とも「内容」で海外からの学生を引き付けることを、制度の改正と同時に熟慮してもらいたいと思います。東大さん、頑張って!

渡邊和子